リーダーの役割として、会議運営があります。問題が発生したとき、リーダー独断で解決することは希。実際は、関係各所を集めて、会議で解決していくということの方が多いはず。
そのようなリーダーはファシリテーションテクニックなど覚えるべき技術はあるのですが、そのようなテクニカルな話の前に知っておくべきことは、そもそも「問題解決型会議」とはどのようなものなのか?ということです。
あなたの会社の会議は、「問題解決型の会議」になっていますか?
よく私も「何が決まったかよく分からない会議」に出くわす。時間ばかり、たくさんかかり、問題とその愚痴に終始してしまう間に時間が経ち、最後は「頑張ろう」で終わる会議。そして、次の会議になった時にも「問題は解決していない」という状況が繰り返される場面に出くわします。
あなたの会社の会議もそのようになっているとしたら、ビル・ゲイツのハーバード大の卒業スピーチが参考になるかもしれません。その中の話で、複雑な問題を解決する為のステージ(方法)に関して、彼は次のように話しています。
FIFTH EDITION:ビルゲイツによるハーバード卒業式の式辞全訳
複雑さを通り抜け、解決策を発見することは四つの予測可能なステージを通ります。つまり、目標を決めよ、最も影響力の高いアプローチを見つけよ、そのアプローチのための理想的なテクノロジーを発見せよ、そして、一方で、貴方達がすでに持っているテクノロジーの中で最もスマートなアプリケーションを作れ――それが薬剤のようなものであろうと、bednetのような単純なものであろうと、洗練されたものであろうとなかろうと。
ビル・ゲイツらしいと言えばそうだが発想が凄い。
通常問題解決のパターンと言えば
A 目標を定める (ここは一緒)
B 現状を把握し、「何が問題なのか?」を定義する
C 問題を生みだしている原因を明らかにする(問題点を見つける)
D 問題点を課題化していく(解決すべき課題は何か?)
E 解決策を具体化する
というのが一般パターンだ。
ビル・ゲイツもここまでは一般のパターンと同じなのだろう。
しかし普通の人と違うのはここから。
ビル・ゲイツは、解決策という一言で済ませてないのだ。
解決策を3つのプロセスに分解している事だ!
1.解決策の方向性を見つける
2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく
3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ
「アプリケーションまで決定していかなければ、複雑な問題は解決できない!」と彼は言っているのだ。
一般的な会議では、1の方向性を決めるステップで思考を停止してしまう。
2以降のテクノロジーやアプリケーションの決定ステップまでは、検討することなく終了する。だから、問題解決が中途半端で終わるケースが多いのだろう。
誤解していけないのは、2と3のステージの「テクノロジーとアプリケーション」を言葉通りに受け取らない事だ。言葉通りに受け取ると、これは「ITをどう使うのか?」と聞こえる。(これは我々がビル・ゲイツ=MSという固定概念があるからどうしてもそう聞こえる。)ここではITを使え、コンピューターを使えと言っているでではない。紙でも、ポストイットでも模造紙でも何でもいいのだ。
2の「テクノロジー」に関して考えてみるとどうだろう。
これは、解決する為に具体的にどんなツール(もの、既存技術・新技術)を使って、管理・実行していこうとするを決定しろということ。
例えば、時間管理に問題があるとする。
そんな時に、何で時間管理をするのかを決めろという事なのだ。PCもある。ネット利用もある。ノートもある。手帳もある。スマホもある。ポストイットもある。
そのようなハード的なものだけでなく、ソフト的なテクノロジーの部分もある。GTDを使うのか?7つの習慣を使うのか?マンダラを使うのか?あなたの問題に対して、どのツール(テクノロジー)を使う事が最も問題解決をしていく方法として相応しいかをまず決めろと言っているのだ。
次に3の「アプリケーション」に関して考えてみよう。
これは、何のコンピュータアプリケーションを使うかを決めろという事ではもちろんない。
最も効率よくする問題解決を図る為に、どう為に新しい業務プロセス(新業務フロー)にしていくべきか?を考えろ。その為のルールをきちんと決めろという事だ。
新しい業務プロセスを考える際、2つのルールを決める必要がある。
一つがタイムイベント発生時(時間になったら、自動的行う)業務ルール。
2つめが外部イベント発生時(周囲がある行動を起こした際に、自動的に行う)業務ルール
例えば、時間管理をPCとGTDというノウハウ。2つのツールを使って余暇時間を増やそうとしたいとする。
タイムイベント発生時の業務ルールという視点で捉えれば
・毎朝何をするのか?
・週間でのレビュールールは?
・月間、3ヶ月、1年ごとに何をするのかというルールは?という事。
外部イベントという視点で捉えれば、
・新しい仕事を上司から頼まれた際どうするのか?
・緊急事態発生時にどうするのか?
・オーバーブッキングになってきたらどうするのか?
・協同作業の仕事が発生したらどうするのか?
等という事。
これらについて最も効率的な業務プロセスを考え、ルールまで細かく決めていくということだ。
ここまで決めることがアプリケーションを作れ!ということ。アプリケーションまで決めておかなければ、複雑な問題は解決できないという事だ。
会議で決定するべきこととは、問題解決の方向性だけを決めればいいということではないのである。
1.解決策の方向性を見つける
2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく
3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ
会議をする際などに、是非参考にしていきたい言葉である。
結論を中途半端な解決策の検討だけで終わらせない。それだと時間の無駄になってしまう。
しっかりと、アプリケーションまで決めなければ、会議は終わらないのだ!
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ビル・ゲイツに学ぶ問題解決型会議3ステージ | 改革のヒント | 最新ニュース
2015年3月31日 at 2:50 PM (UTC 0) Link to this comment
[…] 2015年3月31日 つまり、目標を決めよ、最も影響力の高いアプローチを見つけよ、そのアプローチのための理想的なテクノロジーを発見せよ、そして、一方で、貴方達がすでに持っているテクノロジーの中で最もスマートなアプリケーションを作れ――それが薬剤のようなものであろうと、bednetのような単純なものであろうと、洗練されたものであろうとなかろうと。 誤解していけないのは、2と3のステージの「テクノロジーとアプリケーション」を言葉通りに受け取らない事なのです。 そのようなハード的なものだけでなく、ソフト的なテクノロジーの部分もあります。 GTDを使うのか?7つの習慣を使うのか?マンダラを使うのか?あなたの問題に対して、どのツール(テクノロジー)を使う事が最も問題解決をしていく方法として相応しいかをまず決めろと言っているのなのです。 [紹介元] ビル・ゲイツに学ぶ問題解決型会議3ステージ | 改革のヒント […]