元旦の計がうまくいかない人達から学ぶ 行動力を高めるヒント

あなたは行動力のあるタイプでしょうか?
行動力とは、「やると決めたこと」は納期までに必ずやり抜く力のことです。

 

行動力のある、なしも個性の一つです。
とは言え、ビジネスの世界では「自分の行動力がないのは、性格からくる個性だから仕方ない」で済まされません。
「行動力」が不要な仕事など存在しないからです。

 

ではどのようにして行動力は高めていけばいいのでしょうか?
方法はいくつかあります。
今回は正月ですので、「元旦の計がうまくいかない人達」からそのヒントを探していきましょう。

 

 

「1年の計は元旦にあり」という言葉があるように、正月休みの間に目標を作った方も多いのではないでしょうか?

 

私は1月2月までの間に、多くの社長さん達、人事の責任者の方々と新年会でお会いするのですが、その際に一つ質問をしてみます。
「元旦に作った計画は、結果は別にして順調に実行されていますか?」
さすがにまだ1月ですので「全く実行できていません。」という方はいませんが、多くの方が「実行できていますが、100%というわけではないですね。」等と言われます。
それが半年経って同じ質問をすると「恥ずかしながら、ほとんど実行できてません。何かと忙しくて」などと言われる方が8割程度になってきます。

 

 

なぜ「元旦に決意した決意」は実行されないのでしょうか?
その鍵は、そもそもなぜ多くの人は「元旦」に計画を作りたがるのか?にあります。

 

 

 

①「人は目標や計画を新たに作ろう」 とする場合の多くは、「今の状態から、新たに立ち上がろう!(抜けだそう)」ことが動機となります。
元旦に作る目標とは、「2015年の思うようにいかなかった状況から、2016年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意です。
実は、この「決意」がくせ者。
「決意」をすることで、「2015年の数多くの挫折によって生まれたモヤモヤが吹っ飛んで、スッキリとした気分」になり、気持ちが高揚してきます。
何も成し遂げている訳でもないのに、目標を立てると「2016年末時の成功した自分の姿」などが浮かんできてモチベーションが上がってくるのです。
即ち、「スッキリとした、気持ちを高揚させる為の決意」に元旦の計はなりがちなのですです。

 

 

しかし、実際に目標実現に向けては行動が必要になります。
実際に行動をしていくと、「こんなはずじゃなかった」と感じるような「思いもよらない出来事」が様々発生してきます。
現実は、目標達成に向けて行動しても、すぐに結果が出る方が希。

 

 

②時が経てば立つほど努力しても成果が出ない、行動しても喜ばれない等々、さらに目標に対し挫折しそうな出来事がどんどん出てきます。
本来、諦めずに行動継続していくことが目標実現には不可欠なはずなのに、モチベーションが下がり次第に行動をサボる日が増えてくる。
サボる日が増えてくると、「今年もさぼっちゃってんな」と自己嫌悪に陥り、「どうせいいや」と開き直り、目標から意識をそらすようになってくる。
最後には、元旦の時に計画を作った高揚感はすっかりと消え失せて、残るのは「やっぱり今年もダメだった」というモヤモヤと罪悪感だけになる。
そして、目標など忘れたように日常の中のルーチンのみにどっぷりと身を浸すことになるのです。

 

そしてまた年末を迎える。
「2016年の目標もまた思うようにならなかったな。」とモヤモヤした罪悪感を思い出す。
そして2017年の元旦。「2017年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意し、気持ちがスッキリし高揚感に包まれることになるのです。
そして2017年も、数ヶ月経つと、同じことを繰り返すことになる。

 

 

 

 

このような「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒントは2つあります。
①の場面に一つある。
年初の目標を立てるとき、「達成した成功した自分の姿」ばかりを描くのではなく、

  1. 達成する為にどんな困難が待ち受けているか?
  2. 行動し始めた時、最初からうまくいくだろうか?
  3. どんな誘惑に襲われ、行動を中断する可能性があるだろうか?
  4. 上記3点を踏まえた上で、どんな対策を実行していくか?

    をしっかり考えておくことにある。行動し始めた時に起こりうる可能性の高いリスクを想定しておき、事前に策を講じておくのです。
    そうしておけば、うまくいかない出来事に遭遇しても、簡単に挫折せず、行動を継続できるようになる。

 

 

もう一つのヒントは②の場面だ。
リスクを考慮して対策を打っていても、想定外の挫折はあるもの。(全てのリスクに対策は打てないのだから)
挫折を感じると、サボり心が出てくるのはしょうがありません。
大事なことは「どうせさぼっちゃったんだから、もういいや」と投げやりにならないことです。
「さぼった自分」に対して、自分を責め立て、自己嫌悪に陥らないことです。
自己嫌悪に陥ると、「どうせ…」と投げやりな気持ちが生まれるからです。それに対する対策として

  1. 「今日はさぼったけど、それまで○日間は頑張ってきたじゃない。よくやっているよ、」と、それまで行動してきた自分を認めてあげましょう。
  2. 冷静になり、「なぜ、行動を中断してしまったか?」分析してみましょう。同じ原因で、行動を中断してしまわないように対策を取り入れましょう。
  3. 最後に、「明日からは、また元旦の日の気持ちに戻り、これまで通り一日一日行動していこう」と、決意を新たにしていくのです。

 

 

まとめ
「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒント

 

  1. 目標を立てる時、理想状態と実現方法ばかりを考えるのではなく、目標実現に向けて発生可能性の高いリスクと回避策も考えておく
  2.  挫折した時に「どうにでもなれ!」と投げやりになるのを防ぐ為に、自分に厳しく自己批判するのをやめ、冷静に行動をやめてしまった原因の分析を行う。
    そして、昨日迄の行動を肯定し、新たな気持ちで明日からの行動に望む。
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ビル・ゲイツに学ぶ問題解決型会議3ステージ

リーダーの役割として、会議運営があります。問題が発生したとき、リーダー独断で解決することは希。実際は、関係各所を集めて、会議で解決していくということの方が多いはず。

そのようなリーダーはファシリテーションテクニックなど覚えるべき技術はあるのですが、そのようなテクニカルな話の前に知っておくべきことは、そもそも「問題解決型会議」とはどのようなものなのか?ということです。

 

あなたの会社の会議は、「問題解決型の会議」になっていますか?

 

よく私も「何が決まったかよく分からない会議」に出くわす。時間ばかり、たくさんかかり、問題とその愚痴に終始してしまう間に時間が経ち、最後は「頑張ろう」で終わる会議。そして、次の会議になった時にも「問題は解決していない」という状況が繰り返される場面に出くわします。

 

あなたの会社の会議もそのようになっているとしたら、ビル・ゲイツのハーバード大の卒業スピーチが参考になるかもしれません。その中の話で、複雑な問題を解決する為のステージ(方法)に関して、彼は次のように話しています。

 

FIFTH EDITION:ビルゲイツによるハーバード卒業式の式辞全訳

複雑さを通り抜け、解決策を発見することは四つの予測可能なステージを通ります。つまり、目標を決めよ、最も影響力の高いアプローチを見つけよ、そのアプローチのための理想的なテクノロジーを発見せよ、そして、一方で、貴方達がすでに持っているテクノロジーの中で最もスマートなアプリケーションを作れ――それが薬剤のようなものであろうと、bednetのような単純なものであろうと、洗練されたものであろうとなかろうと。

 

ビル・ゲイツらしいと言えばそうだが発想が凄い。

通常問題解決のパターンと言えば

A 目標を定める (ここは一緒)

B 現状を把握し、「何が問題なのか?」を定義する

C 問題を生みだしている原因を明らかにする(問題点を見つける)

D 問題点を課題化していく(解決すべき課題は何か?)

E 解決策を具体化する

というのが一般パターンだ。

ビル・ゲイツもここまでは一般のパターンと同じなのだろう。

しかし普通の人と違うのはここから。

ビル・ゲイツは、解決策という一言で済ませてないのだ。

 

 

解決策を3つのプロセスに分解している事だ!

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

 

「アプリケーションまで決定していかなければ、複雑な問題は解決できない!」と彼は言っているのだ。

一般的な会議では、1の方向性を決めるステップで思考を停止してしまう。

2以降のテクノロジーやアプリケーションの決定ステップまでは、検討することなく終了する。だから、問題解決が中途半端で終わるケースが多いのだろう。

 

誤解していけないのは、2と3のステージの「テクノロジーとアプリケーション」を言葉通りに受け取らない事だ。言葉通りに受け取ると、これは「ITをどう使うのか?」と聞こえる。(これは我々がビル・ゲイツ=MSという固定概念があるからどうしてもそう聞こえる。)ここではITを使え、コンピューターを使えと言っているでではない。紙でも、ポストイットでも模造紙でも何でもいいのだ。

 

2の「テクノロジー」に関して考えてみるとどうだろう。
これは、解決する為に具体的にどんなツール(もの、既存技術・新技術)を使って、管理・実行していこうとするを決定しろということ。

例えば、時間管理に問題があるとする。

そんな時に、何で時間管理をするのかを決めろという事なのだ。PCもある。ネット利用もある。ノートもある。手帳もある。スマホもある。ポストイットもある。

そのようなハード的なものだけでなく、ソフト的なテクノロジーの部分もある。GTDを使うのか?7つの習慣を使うのか?マンダラを使うのか?あなたの問題に対して、どのツール(テクノロジー)を使う事が最も問題解決をしていく方法として相応しいかをまず決めろと言っているのだ。

 

 

次に3の「アプリケーション」に関して考えてみよう。

これは、何のコンピュータアプリケーションを使うかを決めろという事ではもちろんない。

最も効率よくする問題解決を図る為に、どう為に新しい業務プロセス(新業務フロー)にしていくべきか?を考えろ。その為のルールをきちんと決めろという事だ。

新しい業務プロセスを考える際、2つのルールを決める必要がある。

一つがタイムイベント発生時(時間になったら、自動的行う)業務ルール。

2つめが外部イベント発生時(周囲がある行動を起こした際に、自動的に行う)業務ルール

 

 

例えば、時間管理をPCとGTDというノウハウ。2つのツールを使って余暇時間を増やそうとしたいとする。

 

タイムイベント発生時の業務ルールという視点で捉えれば

・毎朝何をするのか?

・週間でのレビュールールは?

・月間、3ヶ月、1年ごとに何をするのかというルールは?という事。

外部イベントという視点で捉えれば、

・新しい仕事を上司から頼まれた際どうするのか?

・緊急事態発生時にどうするのか?

・オーバーブッキングになってきたらどうするのか?

・協同作業の仕事が発生したらどうするのか?

等という事。

これらについて最も効率的な業務プロセスを考え、ルールまで細かく決めていくということだ。

ここまで決めることがアプリケーションを作れ!ということ。アプリケーションまで決めておかなければ、複雑な問題は解決できないという事だ。

 

会議で決定するべきこととは、問題解決の方向性だけを決めればいいということではないのである。

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

会議をする際などに、是非参考にしていきたい言葉である。

結論を中途半端な解決策の検討だけで終わらせない。それだと時間の無駄になってしまう。

 

しっかりと、アプリケーションまで決めなければ、会議は終わらないのだ!

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部下の心を動かす!リーダーの超チューニング力

 

あなたは、日々関わっている全ての人とうまくいっていますか?

苦手な人はいませんか?

思うように動いてくれない人、気持ちが通じない人はいませんか?

「問題社員」「かなり個性的社員」「アウトロー社員」となっている部下はいませんか?

新著「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、そんな人達への指導に苦慮しているマネジメント職の方を対象に、行動心理学に基づいた観点で部下のタイプ別に指導の考え方・接し方・導き方をアドバイスする一冊です。

この記事は、その書籍のダイジェスト版になっています。

マネジメント職向けに書いてはいますが、子育てや夫婦関係で悩まれている方にも役立つ内容になっていると思います。

 

1.「誠意を尽くせば分かって貰える」が通じないのはナゼ?

懸命に努力しても、誠意を持ってコミニケーションをとろうとしても、思うように相手が動いてくれないのはナゼでしょうか?

答えはシンプルです。

それはあなたと、相手のプロトコル(言葉・ルール等)が違っているからです。

 

英語しか話せないアメリカ人に対して、日本語で懸命に語りかけている姿を想像してもらえば分かりやすいと思います。

アメリカ人に日本語を話しても通じないのは分かるが「同じ日本人に日本語を話して、通じないなんてないだろう」と思われるかもしれません。

 

しかし性格が異なると、同じ言葉でも、あなたが考えている意味と、相手が捉えている意味が全く異なっている場合が多いのです。

例えば、「目標」という言葉を私達はビジネス用語でよく使います。全ての人が「目標」という言葉に対する捉え方は同じかと言えば違います。

 

例えば、「大言壮語とも思えるような大きな事にチャレンジする事に快感を感じる」という性格の上司の山田部長と、「地味なことでも、やると決めたことを一つずつ完璧に着実に実現していきたい!」という部下の前川さんの2人のケースで考えてみましょう。

 

山田部長は、目標という言葉を「目標とはチャレンジングなものでなければいけない。誰も越えたことがないような高いレベルのものでなければ目標とはいえない。」と捉えるでしょう。一方、前川さんは「目標を掲げたからには完璧に達成する責任がある。できもしないような目標をいい加減に立ててはいけない。」と捉えているでしょう。

 

同じ目標という言葉でも、相手の性格によって意味の捉え方が全く違うのです。

相手の性格を知り、どんなプロトコル使っているのか?をしっかりと知った上でなければ、同じ日本人でも日本語が通じなかったりする。これがトラブルを生み出す原因にもなってくるのです。

 

先の2人のケースのように、性格が異なる相手は使用しているプロトコルも違います。

しかしそのプロトコルの違いを、私達はつい無視してコミュニケートしようとしてしまう。結果、相手の真意をあなたは誤解し、相手はあなたの真意を誤解して受け取り、互いに期待とは異なる行動をとるという悪循環に陥ることになります。


 

 

2. 田中角栄に学ぶ、チューニング力の凄さ

世の中には、これらの悩みと無縁の「人の心を動かす達人」という方が存在します。彼らはこのプロトコルの違いを上手に乗り越えることができています。

例えば、田中角栄元総理などの話はその代表などではないでしょうか?大平元総理などは「田中とは一対一で会わずに複数で会うこと。一対一で会えば、必ず言うことを聞かされてしまう」と言うほど、人の心を動かす力が高かったようです。

 

気むずかしい政治家や官僚には、彼らのプロトコルに合わせて、難しい経済政策等をコンピュータ付きブルドーザーと言われるほどの能力を駆使し、数字を使って論理的に語り合う。そして自分を批判する敵まで関心させ、仲間にしていく。

一方、選挙区の田舎のおばぁちゃんに接する際は、彼女たちのプロトコルに合わせて、田んぼの泥水の中に革靴のまま入っていっていき、難しい話など一切せず、隣のおっちゃんのように気さくにおばぁちゃん達と冗談を言い合いながら、彼女たちの愚痴に耳を傾ける。相手の個性に合わせて様々に対応法を全く変えながら、異なるタイプの様々な人達を味方につけ、総理大臣にまでに登りつめたのです。

 

彼は自分のプロトコルに執着することなく、相手のプロトコルをしっかりと見抜き、相手のプロトコルに合わせて接し方を変えることで、様々な人の心を動かしてきたのです。

 

本書では、これを「チューニング力」と呼んでいます。

 

「自分のスタイルに固執せず、相手の個性に合わせて、対応法を少しずつ変えていく。」

という事です。

 

私達もこのチューニング力を全く持っていないかといえば、そうではありません。

あなたも、多くの相手にはこのチューニング力を発揮できているハズです。

ただ、苦手な相手、思うように動いてくれない相手、トラブルを抱えている相手、嫌いな相手を動かすだけのチューニング力までには高まっていないだけなのです

ではどうすれば、このチューニング力を更に高めることができるのでしょうか?


 

 

 

3. 天才の真似ってできるのか?凡人でも超チューニング力は身につくのか?

人は通常、「動物的なカン」により

・人のタイプをパターン分けし

・パターンに応じての対応法を整理し

・相手のパターンを見抜き、それに応じた対応法を変える

というチューニングの一連の行動を無意識に行っています。田中角栄元総理などは、超一流の動物的なカンによりこれが精緻に行われている。

 

動物的なカンを高めるというのは、現実、難しいものです。

では、それほど「動物的なカン」が優れていない私達がもっと「チューニング力」を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

一般人である我々は、苦手な人、思うようにならない人に対しての悩みから開放されないまま生きていくしかないのでしょうか?

数十年前はそうだったのかもしれません。

 

しかし、今は違います。

動物的なカンのチカラ不足を補う方法として、心理学の成果を活用すれば、普通の人でも大幅にチューニング力をアップさせる事が分かってきました。

実際既に、臨床心理カウンセリングの現場ではこの活用は盛んに行われているのです。

具体的には、「人格適応論」という理論を活用するのです。


 

4.人格適応論の6適応タイプ。あなたのタイプは?

人格適応論は、人の性格を見極め、性格に合わせて信頼関係を構築する為の方法が体系化された心理学です。

人格適応論では、人の行動を6つの適応タイプに分類しています。それぞれの適応タイプは、生まれた時から持っており、更に乳幼児期に両親によって育まれ、さらに現在までの人生経験によって培われたものです。

 

このダイジェスト版では、6つの適応タイプについて代表的な特徴を紹介します。
(6タイプの心理学的背景はコチラで紹介。6タイプ別コミニケーションの特色はコチラで紹介)

 

 

➀哲学者型

(代表的性格特徴)

自分の心に引きこもり、空想や想像することが多い。一人きりを好み、他者に優しく思いやりがありますが、自分の欲求は後回しにしてしまいます。

〈代表的ポジティブな側面〉

黙々と働く、物静か、控え目

〈代表的ネガティブな特徴〉

コミュニケーション回避、黙る、あきらめる

(形成過程)

哲学者型は、養育者(親)が子どものことに心を砕く余裕が無かったために、親が当てにならなかったという養育環境で発達します

 

 

➁革命家型

(代表的性格特徴)

自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる。チャレンジ精神が旺盛。

〈代表的ポジティブな側面〉

行動力がある、活動的、リーダーシップが強い

〈代表的ネガティブな特徴〉

優位に立とうとする、バカにする、目先だけを見た言動

(形成過程)

革命家型は、子どもが何かを望む前に、親が先回りして、子どもが望むと親が想像したものを与えるという養育環境で発達します。

 

 

➂任侠型

(代表的性格特徴)

自分の考えに固執し保守的で、自己管理を好み、敏感で明瞭な考えを持っています。

〈代表的ポジティブな側面〉

明晰な考え、緻密さ、注意深い

〈代表的ネガティブな特徴〉

誇張する、用心し過ぎ行動しない、疑い深い

(形成過程) 

任侠型は、同じようにふるまったとしても、ある時は受容的、ある時は拒否的であったという一貫性のない養育環境で発達します。

 

 

➃官僚型

(代表的性格特徴)

あらゆる出来事に責任を持とうとします。相手から認められるために完全にやろうと努力します。

〈代表的ポジティブな側面〉

責任感、良心的、明晰な考え

〈代表的ネガティブな特徴〉

こだわる、言い訳がましい、他者に批判的

(形成過程) 

官僚型は、子どもの存在そのものよりも、何かを出来たことを認められ、物事の達成を強調される養育環境で発達します。

 

 

➄発明家型

(代表的性格特徴)

好きか嫌いかのどちらかで反応します。

〈代表的ポジティブな側面〉

楽しいことなら懸命に行う、楽しい・笑う、人付き合いが上手

〈代表的ネガティブな特徴〉

やるべきことをやらない、不満を言う、人のせいにする

(形成過程) 

発明家型は、「ああしろ、こうしろ」と支配的・指示的に子どもをコントロールしようとする養育環境で発達します。

 

 

➅コンシェルジュ型

(代表的性格特徴)

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとします。

〈ポジティブな側面〉

優しい、思いやりがある、親密な関わりを持つ

〈代表的ネガティブな特徴〉

感情的になる(泣く、責める)、不過剰な気遣いをする

(形成過程)

コンシェルジュ型は、子どもにかわいらしさや優しさを求める養育環境で発達します。

適応タイプは、一つだけでなく、複数該当する人もいるかもしれません。

 

 

 

 

あなたは、どの適応タイプに該当するでしょうか?

あなたの苦手な人はどの適応タイプに該当するでしょうか?

 

 

適応タイプが分かると、どうチューニングすると部下の心を動かし、より深い信頼関係を築き、彼を活かすことができるかが見えてきます。

本書の方では、あなたや、苦手な人がどんなタイプかをもっと実践的に分析できるように、更に詳細なタイプ別の性格特徴や、タイプ別の能力特徴も紹介しています。


 

 

5.部下の心を動かす為に必要な3つのチューニング力

適応タイプが分かったら、次に必要なことは、適応タイプに合わせてチューニングするという事です。

チューニングは対象者と目的により、チューニングすべき事は異なります。例えば

 

① 皆さんのパートナー(彼氏、彼女、旦那様、奥様)とより良い関係を目指す

→パートナーの適応タイプを見抜き、それに合わせコミニケーション法、日々の接し方をチューニングする。

② 営業マンが顧客にチューニングし売上アップを目指す

→ 顧客の適応タイプを見抜き、それに合わせて営業トーク、アプローチ法、お勧めする商品をチューニングする。

③ 部下が上司や同僚にチューニングをし、より生産的な関係を目指す

等です。

 

 

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、部下の心を動かしもっと高い生産性を実現する事を目指すことがテーマなので、部下の適応タイプに合わせてリーダーが行うべき3つのチューニング法に絞って紹介しています。

1. 部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする (マネジメントチューニング)

2. 部下の性格に合わせてやる気を引き出す方法をチューニングする (モチベーションチューニング)

3. 部下の性格に合わせて仕事の割り当てをチューニングする (仕事と能力チューニング)

 

 

このダイジェスト版では、そのうちの一つマネジメントチューニングをご紹介しましょう。

 

一つめの「部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする」とは、部下の適正タイプに合わせてマネジメント業務のやり方を調整していくことです。

どの会社にも共通する、リーダーがやるべきマネジメント業務を5つに分けると以下のようになります。

1. 部下と目標を共有する (目標を与える・目標を部下と作る)

2. 部下と計画を共有する (計画を与える、計画を部下と作る)

3. 部下の仕事のチェック・レビューを行う

4. 部下の教育を行う

5. 部下に日常業務の指示・命令を行う

 

この5つの業務は、どの部下に対してもワンパターンで行ってはうまくいきません。部下の性格に合わせてやり方を、少しずつチューニングしていくべき業務ということです。

例えば本屋さんに行けば、5の「指示命令」について書かれた本が沢山並んでいます。そこには沢山の原理原則が書かれていると思います。

しかしその多くは、全ての人に共通して使う事のできる原理原則ではないのです。

 


 

 

6.人を動かす成功の秘訣~カンタン!あなたの成功法、常識を捨てること。

例えば、「コンシェルジュ型の部下」と「革命家型の部下」への指示命令の与え方を考えてみましょう。

 

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとする「コンシェルジュ型の部下」は優しく、思いやりがあり、上司とも親密な関わりを持ちたいという欲求が強いタイプ。このタイプに指示命令する際は、上司から受け入れられているかを非常に気にするので・・・

*単刀直入に「○○してくれ!」とトップダウン的な指示命令よりも、「○○をやってもらおうと考えているのだが、○○をやることについて君はどう思う?」と気持ちを聞きながら指示する方が効果的。メールなどで指示命令を行う際も、後で「あのメールの意味は分かった。うまくできると思う?」などとフォローを入れることが大切になる。

 

 

一方、チャレンジ精神が旺盛で、自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる「革命家型の部下」は、行動力があり、活動的で、リーダーシップが強いタイプ。

このタイプに指示する際は、簡潔明瞭、制限を抑えた指示命令を求める。だから・・・

*「○○しなさい」「○○をしてくれ!」と明瞭に「やるべきこと」と「目的」だけを単刀直入にを指示命令することが効果的。

コンシェルジュ型の部下と違い「君はどう思う?」などと意見を聞く必要はない。本題とは逸れた気遣いは「余計で無駄なこと」ととられ逆効果になる。

 

 

このように適応タイプ別に、効果的な「指示・命令法」は全く逆と言える程違ってきます。

 

 

2つの適応タイプが上司部下の関係だったらと想像してみて下さい。上司が「革命家型の理想の指示・命令」をしても、コンシェルジュ型の部下から理解されない事は容易に想像できるでしょう。

あなたにもきっと「理想の指示・命令」があるはずです。しかしあなたの「理想の指示・命令」をしたからといって、部下の心に響くわけではないということです。

 

 

部下が求める「理想の指示・命令」をしてやらなければ部下の心は動きません。

相手の心を動かそうとすれば、他の4つのマネジメント業務についても「自分の常識」「自分が好むやり方」を一部捨て、相手の適応タイプに応じてチューニングしていく必要があるのです。

 

 

あなたは、苦手な相手の適応タイプに効果的なマネジメント法をご存じでしょうか?

これが分からないから、うまくチューニングができないのではないでしょうか?

ある意味これさえ分かれば、どんな人のマネジメントもできるハズなのです。

 

 

本書の方では、あなたがマネジメントチューニングするために必要な、6つの適応タイプ別に「どんなマネジメント法」を行えばいいか?を詳細に紹介しています。

更に、あなたがもっと効果的にモチベーションチューニング、仕事と能力チューニングを行えるように

* 6つの適応タイプ別に、どんなモチベーション法が効果的か?

* 6つの適応タイプ別に、性格的にどんな(仕事の)能力的な特色があるか?

も詳細に紹介しています。

 

本書を学ぶことで、相手を6つの適応タイプで分析できるようになり、苦手な部下でさえ、タイプに応じてどうチューニングをしていけばいいかが分かります。是非、あなたのチューニング力アップの為に、本書をご一読頂くことをお勧めします。

 

終わりに

ここまでのダイジェスト版を読まれ、もっと「チューニング力」について詳しく知りたいと思われたら、是非お近くの書店にて

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

のご購入を検討ください。(アマゾンでのご注文はコチラになります。)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863541252/favre21hatena-22/

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

又、リーダーに対するだけでなく、セールスマン向けにも「チューニング力」アップに関するセミナー、研修等を弊社では行っております。ご興味のある方は、以下のページでお問い合わせ下さい。

http://www.venturmanagement.com/toiawase.html

 

(参考資料)

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

<目次>

●第1章 人の心を動かすチューニング力を磨く

●第2章 チューニング力不足が生み出す問題社員

●第3章 チューニング力の基となる「人格適応論」

●第4章 マネジメントチューニング力を磨く

●第5章 モチベーションチューニング力を磨く

●第6章 仕事と能力チューニング力を磨く

●第7章 もっと深くチューニング力を応用しよう

 

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人材育成上手になる為に身につけるべき7つのスキル

 

リーダーという人を育て、人に指示する立場にたった時に、最初にこれだけは覚えるべき7つの技術についてまとめています。覚えることはたくさんあるとは思いますが、これだけはという事に絞ってまとめてみました。

 

 

  1. やるべき行動、仕事の重要性、価値を伝える
    部下や後輩にやってもらいたい仕事が会社や部門にとって、「どれだけ重要なことなのか?価値があるのか?」をしっかり伝える事は、モチベーションを大きく左右してきます。「こんな仕事、なんで俺がしないといけないんだ」などと思わせたら、その時点で成長は止まってしまいます。

    どんな仕事にも、仕事として存在する限りは、「仕事の価値・重要性」があるはずです。もしないのであれば、その仕事を改めて誰かに教えるということよりも、その仕事をどうやめていくかを検討すべき話になっていくのでしょうから。

    例えば、「お客様へのお茶を出す」という仕事。この仕事を部下にさせる時、「はい、お茶くみの仕事が君の仕事の一つ。さぁ、やっておいて」として仕事をさせるというやり方もあるかと思います。それだけでは、お茶くみという仕事へのモチベーションはそんなに高くはならないと思います。「大学まで出た私が、なんで・・」なんて思われるのが当たり前なのかもしれません。

    そのような事にならない為には、「お客様へのお茶を出す」という仕事の価値をまず、しっかり伝える必要があるのです。
    単に「会社の召使いとしてお茶を出す」と認識している人と、「お茶を出す」をという仕事を「お客様への心配り、会社のサービス精神をお客様に最初に感じて頂く象徴的な行為、自分はファーストインプレッションイメージメーカーだ!」として「お茶を出す」と認識している人とでは、「お茶を出す」行為へのモチベーションが全く違ってきます。
    お茶の選び方、お茶のつぎ方、お客様への持っていきかた、お客様との会話の仕方、様々な工夫していくことがあるはずです。(伝説かホントか分かりませんが、石田三成豊臣秀吉からお茶の入れ方で目を付けられたそうですから、お茶くみ一つでも、凄い仕事なんですよね。)

    育てる立場になる人は、「仕事の価値、重要性」を、自らもしっかり整理して、それを伝えていく必要があります。
    「忙しい中で、そんなことまでできるか?」と感じる人もいるかもしれませんが、これをしっかり教える事ができれば、後の作業の手抜きができるのです。これができれば、人は勝手に育っていく部分もあるのです。

    人に「仕事の価値・重要性」を伝えるという作業を通して、自分自身のモチベーションアップにもつながるはずなのです。



  2. 本人にとって「やるべきメリット」を整理してやる
    1は、「その仕事をやる事が会社や社会にどれだけ貢献しているか?」という話です。次に、必要なのが、本人にとって、その仕事が「どれだけメリットがあるか」ということ。

    「どんな会社でも通用するような価値の高い人材になるために、その仕事はどう貢献していくか?」とか、「その会社で成功していくために、その仕事をやる事が、どう貢献していくのか?」という本人にとってのメリットを整理してやる事です。

    当然、そのためには、「本人がどのような事が望みなのか、夢を持っているのか?」を知っておく必要があります。その夢や望みに、その仕事がどう役立っていくのかを教えていく必要があるのです。 それが、単に「仕事はパットすませて定時で帰りたいとか、できるだけ給料を早く上げたい」とかそんな望みでもOKだと思うのです。

    その「夢・望み」と「やるべき仕事」の関係を整理して、説明してあげる事が大事になってきます。 ここまで伝える事ができれば、ホント、かなり高いモチベーションで仕事をしてもらえる事ができるハズです。



  3. 最終完成物の共通イメージを持つ
    仕事を指示する場合に、最終完成物のイメージが、頼んだ方と、頼まれた方が異なったものを持つ事ほど、後での不信感を醸成していくものはありません。
    頼んだ方は、「あいつは、バカと違うか?」と感じてしまいますし、頼まれた方は、「キチット説明して頼めよ。指示の要領が悪いヤツだ。」という不信感ですね。

    上司が「この資料、ポイントだけをまとめてきてくれ」と50枚程度の資料を渡して、指示したとします。その際、上司はA4で1枚程度にまとめて欲しいというイメージを持って頼んだけど、部下はA4で10枚程度にまとめることだと感じてしまったというケースですね。

    最終完成物を整理して、互いのイメージを確認するという、ほんのチョットした事がとても大切になってきます。



  4. 仕事のブレークダウンをしてやる
    「上司の指示、指導方法が不満」という原因の一つとして、大ざっぱな指示があると思います。特に、最初に仕事をしてくときは、何を行って良いのかが分かりません。

    目標や仕事を小分けにしてあげ、彼らがイメージをしやるいレベルにまで仕事をブレークダウンして、説明してあげる必要が最初には必要になってきます。



  5. 仕事のブレークダウンを身につけさせる
    ただ、いつまでも、それを上司がやっていけば、上司が忙しさで潰れてしまいますし、本人の能力アップにもつながりません。
    仕事を頼んだとき、まず、それを本人なりにブレークダウンをしてもらい、それをチェック、アドバイスしてあげることで、本人のブレークダウン能力を向上させていくことで、仕事力をアップさせていく必要があります。

    もうアドバイスする必要のない程のブレークダウン能力が最終的に身に付けば、上司としては、ホントに手のかからない、自分を助けてくれる最強の味方になってくれているはずです。



  6. レビューを必ず行ってあげる
    仕事をどんなに細かくブレークダウンしたつもりでいても、実際にやるのとは違います。
    やってみて、上手くいかないケースもあるでしょう。そんな時に、タイミングの良いアドバイスをしてあげる事が大事になってきます。
    そのためには、定期的なレビュータイムを作り、仕事の進捗状況を聞きながら、コーチングをしてあげる事も重要になってきます。
    この作業も、1~5までの作業が順調であれば、ほとんど、時間をとられないで済むはずです。
    レビュータイムを長くとらざる得ないということは、1~5までが上手くいっていない証になります。



  7. 達成感を感じさせてあげる
    評価してあげ、誉めてあげることで、人は、それについての真剣度が高まります。脳内にドーパミンを発生させ、学習強化させていくのです。

    そのためには、過去の状態を細かく記憶してあげておき、細かい形でゴールを決めてあげ、それについて評価してあげることも重要になります。この部分については、別のコラムで紹介していくことにします。
     

 

 

更に、ワンステップ上の教え方上手になるには、教える前に自分のことをしっかりと理解しておきましょう。

誰しも性格によって実は教え方やコミニケーションの癖があるのです。例えば、笑顔のコミニケーションが得意だったり、苦手だったり…

 

 

コミニケーションがうまくいかない相手は、実はあなたとは違うコミニケーションの癖があるのです。あなたの良かれと思った行動は、相手にとって不快な行動だったりするのです。

 

 

まず、自分の癖を知り、教える相手に合わせて癖を変えるという事が必要になってきます。自分の性格からくるコミニケーション特徴等は、弊社が提供する「ビジネス特化型の性格検査UPシステム」をご活用頂ければすぐに分かります。お気軽にお試し下さい。

 

 

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論理的な話が部下に通じない理由。 20のバイアス

論理的思考力や客観性を私達は、日々の仕事や学習でトレーニングをしています。しかし、こちらが論理的に話しても、部下に通じないことがよくあります。実際の私達の行動は、案外、論理的ではなかったりします。

 

それはなぜでしょうか?

 

その答えの一つがバイアスの存在です。

 

事実を目の前にして、私達はその事実をスンナリ受け入れるワケではなく、心理バイアスをかけてモノを見てしまう。(例えば同じカップラーメンを売っているスーパー。「定価120円が100円に」と書かれたAスーパーのカップラーメン。Bスーパーでは100円とただ値札のかかったカップラーメン。2つの店で買い物をした際、Aスーパーの方が得と感じてしまうのではないでしょうか?)

 

 

人は、論理的、合理的なようで、実は論理的ではないのです。バイアスがかかりながら、論理を考える生き物なのです。

 

部下とのコミニケーションする際に、単に論理的に正しいことを言ってもダメ。

 

よく、「論理的に考えればすぐに分かるような話なのに、どうしてアイツは違ったことをするのだろうか?」などと思うような出来事に出会うと思うのですが、そのような場合、部下にはバイアスがかかっているのです。

 

部下はどんなバイアスを持って、あなたの話を聞くのか?この事をしっかり考えながら、コミニケーションをしていくのが大事になってくるのす。

 

では、人はどのようなバイアスでモノを見ていくのか?どのようなバイアスに影響されて判断をしていくのでしょうか?

ここで、代表的なバイアスをご紹介。(行動経済学の中では、これから紹介する名前と違う表現になっていますが、私が、自分用にすぐに使えるように加工したモノをここでは紹介します。ご興味がある方は、また詳しく勉強してください。)

 

 

  1. 損失過剰評価バイアス
    得する話、利益額より、損する話や損失額の方に、人は敏感に反応していくバイアスがかかる



  2. 事前期待比較バイアス
    同じ給料が3万上がるにしても、今年は給料は上がらないだろうなという事前期待を持ったA君と、5万は給料アップするだろうと事前期待をしていたB君では、給料アップ3万という事実に関してのバイアスがかかる (相手の事前期待のコントロールの重要性)



  3. 損の確定は、先延ばしバイアス。利益の確定は、今すぐバイアス
    損する意志決定は、先延ばしをしてしようとしない。逆に、利益を得る話は、すぐに決めようとする。



  4. 数増加に伴う感覚麻痺バイアス
    一杯目のビールは美味しいが、10杯目のビールは・・
    数や経験量が増えてくると、感覚、感動が麻痺していく



  5. 損は、低確率に評価バイアス。得は、高確率に評価バイアス。
    悪い占いは外れることもあるさと思い、いい占いは当たると信じる。



  6. 低い発生確率は、過剰評価バイアス。高い発生確率になると、過小評価バイアス。
    新型インフルエンザも発生率が低い時は、過剰に警戒していた。しかし、近所で発生し、ほとんど避けることができない発生確率まで高まったら、気にしなくなった。それと同じ話ですね。



  7. 「みんな」バイアス。少数を全体バイアス
    子供がよく言う「みんなもやっている」。マスコミがよく言う「国民は」。ホントにみんななのか?全国民なのか?と論理的に考えれば、ツッコミを入れたくなるのですが、「みんな」と、少数の話を一般化して言われると、「そうなのか」とつい考えてしまいがちになります。



  8. 自己決定権優先バイアス
    誰かから与えられたものよりも、自分で決めたことの方が達成確率、成功確率を高く感じてしまうバイアス。(宝くじも、勝手に与えられたものより、自分が指定したモノの方が当たるような気がするというヤツ)



  9. 一貫ストーリーバイアス
    一貫したストーリー。一貫した論理的な話を聞くと、それをキチンと検証しようとせずに鵜呑みにしてしまうバイアス。



  10. 過去の努力をムダにしたくないバイアス
    過去に努力してきたもの、過去にたくさん投資をしたものについては、「もったいない」と思い、それを辞めることが損をしてしまうと考えるバイアス。(これから将来に損をする話であっても、過去の投資がもったいないと考えてしまう)



  11. 現状維持バイアス
    10とも関連するが、今のままではマズイとは分かっていても、現状を変えるということには抵抗を感じてしまうというバイアス。(余程のことがない限り、現状を変えようとはしない)



  12. 保有したものは、手放したくないバイアス
    一度保有したモノは、他人が思っている価値(客観評価)より、自分だけ高い価値を感じてしまうようになる(愛着バイアス)



  13. ポジティブフレーミングバイアス。ネガティブフレーミングバイアス
    一度、相手をポジティブな固定観念ができると
    、ポジティブな面ばかりが目に入ってくるようになる。逆に、ネガティブな固定観念がつくと、ネガティブな面ばかりが目に映り、客観評価ができなくなるというバイアス。



  14. 得するためなら、リスク回避趣向バイアス。損失回避のためなら、リスク選択趣向バイアス
    得する話は、早く得を確定したくなり、できる限りリスクを回避しようとする。
    逆に、損失が目の前にある場合は、それを避けようとする為のリスクを採ろうとする。
    できる営業マンは、相手にリスクのある提案は目の前にある損失にスポットライトを浴びせ、逆に、リスクのない提案は「得の」の部分を強調する。



  15. 間違った記憶バイアス
    「自分の記憶」は間違いないと、普通の人は思っている。しかし、これは間違い。記憶なんていい加減なもの。
    私達の記憶に残っているものは、「インパクトのある記憶」「なじみのある記憶」「最近の記憶」「第1印象」「具体的な記憶(五感に訴えられた記憶)」など、ごく僅かの記憶。それらの代表的な記憶しか覚えていない。それらの一部の記憶により、物事を判断しているにすぎない。



  16. 最初バイアス 最後バイアス
    何社かから競合プレゼンを受けた場合、記憶に残るのが、最初のプレゼンターと最後のプレゼンター。
    一つのプレゼンでも、プレゼンの最初の部分と最後の部分だけが強烈に記憶に残る。(間に話したことは、それ程記憶には残らない)



  17. 比較物バイアス
    バスケットボール選手と映っているあなたの写真。指輪物語のコビット?と映っているあなたの写真。当然、あなたの姿は、全く違って見えます。何と比較するかで、バイアスがかかる。



  18. 比較順番バイアス
    大福を食べた後にたべるスイカ。スイカの後に大福を食べる。食べる順番でスイカの味はバイアスがかかる。



  19. %バイアス 
    某石けんは、洗う成分の100%が植物成分と歌っている。一見、これは全てが植物成分で出来ていると勘違いするが、洗う成分の100%であり、全体の100%ではない。何を分母にするかで%は変わる。%は、一見分かりやすいが、計算式を教えて貰わなければバイアスがかかりやすい。



     

  20. 絶対値バイアス 
    宝くじは3億円の当選本数40本とか、絶対値をアピールしているので買いたくなる。確率が0.00001%なんて書いてあったらどうだろう。絶対値によるバイアスもある。

 

 

 

これらのバイアスが本来客観評価10のモノを13に感じさせたり、7に感じさせたりするのです。(悪用すれば、13に感じさせたり、7に感じさせることもできるということ)

 

 

上手にコミニケーションしたければ、正しいことを論理的に、客観的に伝えるだけではダメ。相手には、バイアスがかかっている事を理解しながら、伝えていくことも重要になるのです。

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人材育成は最初に教えることで決まる。 「教えられ上手になれ!」

人材育成を行っていく際、あなたの育成能力を向上させることはもちろん大切。

しかし同じ位大切になるのが、育成する人材に対して最初に「教えられ方」を教える事です。

 

 みなさんも自分の回りを眺めてみると、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』がいませんか?みなさん自身は、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』のどっちでしょうか?

実際、あなたが教える人材が「教えられ下手の人材か?教えられ上手の人材か?」であなたの教えることへの情熱も変わってくるでしょうし、育成効率も変わってくるはずです。

 

運良く、あなたの担当が「教えられ上手」な人材だといいのですが、そうとばかりは限りません。最近の人材は、教えて貰うことが当たり前と思っている人材が多いのも現実です。そのような教えられ下手の人材は自分の立場が分かっていません。

 

「教えるのが仕事の人達が差別をするなんてもってのほかだ。教える立場の人材は、自分を教える事に対して給料を貰っているのに!」と憤慨したりします。本来、そんな愚痴っている時間があるならば、『どんどん教えて貰える人』に自分がなる努力をしたほうが速いはずなのに、教える側への非難ばかりをする人材もいたりします。そんな人材を教育しなければいけないとなると、あなたも大変なことになるはず。

 

そのような事態を防ぐためにも、まずあなたが教えるべき「教えられ上手な人間になるための8つのこと」を整理してみました。こちらを最初に教えるようにしていきましょう。

 

  1. 楽しそうな表情
    暗い表情の人には、話しかける事も億劫になります。逆に、いつもにこやかな人、笑顔な人には気軽に声をかける事ができます。単純ですが、表情の違いは大きいモノです。いつも笑顔が出ている人の方が能力向上のチャンスも大きいモノです。表情を変えるだけで、周りから教えて貰える量が変わってきます。この楽しそうな表情のバックボーンには好奇心が重要になってくるとは思います。 
  2. 教えて欲しいと頼む率直さ
    私達にはプライドがあります。そのプライドが、「教えてくれますか?」という簡単な言葉を出しにくくさせてしまいます。教えて貰われ上手な人は、小さなプライドを捨て、素直に「教えてください。」と達人に頭を下げることができます。「もっと価値のある人間になる」という大きなプライドの為に、他人に頭を下げるという小さなプライドを捨てるという事が必要になるのでしょう。 
  3. 旺盛な好奇心
    何に対しても好奇心を持てる人は強いですよね。教える側は、興味がありそうに話を聞いてくれると、嬉しいモノ。どんどん秘密にしておくような事でさえも教えてあげたくなるモノです。そんな好奇心旺盛な人に、情報は集まってきます。 
  4. 素直さ
    教えて貰う際に、屁理屈ばかりを言う人がいます。(私もそうなんですが)
    確かに、疑問を持つことは「自分の頭で考えながら、人の話を聞いている」という事で素晴らしいとは思うのです。しかし「あいつは素直じゃない!」と思われると、次から教えて貰えなくなってしまいます。これは損です。その為には、教えて貰っている内容に疑問があっても、まずは素直に聞く。その後、「すみません。ここが分からなかったので教えて貰えませんか?」と聞いていくような工夫が必要になるのでしょう。
     
  5. 感謝心
    教えて貰った際の感謝心を持った態度が、次にまた教えて貰えるかどうかが決まってきます。相手に対する感謝心が、教えて貰いながら、教えてくれている人を気持ちよくする事ができるのです。
    「教えてくれるのが当然」という態度の人と「教えてくれた事を素直に喜んでくれる人」。どっちを教えたくなるかという事ですね。教えたことへの感謝の気持ち、喜んでくれた表情は、お金に匹敵するものがあると思うのです。(もちろん、お金の方が嬉しいですが(^_^))
     
  6. メモを取る等の教えて貰う際の真剣さ
    教えて貰っている時に、メモも何もしない人がいます。これでは、聞く側の真剣さが全く伝わりません。相手も貴重な時間を使ってくれています。「その貴重な時間を無駄にしないぞ」という姿勢は当然です。しっかり、メモをとり、最後に相手に教えて貰ったことを自分なりにまとめ、「最後に確認したいのですが、今教えて貰った事は○○だ」という事ですねと確認するような真剣な態度が求められるのではないでしょうか? 
  7. 一度教えて貰った事は、すぐ自分でトレーニング
    特に、技術系の事は、教えてもらうだけでは身に付きません。何度も繰り返し、同じ作業を繰り返していくことで初めて身に付く場合が多いモノです。そんな習慣がある人は、教える側の立場から言えば、教え甲斐のある人という事になってきます。逆に、聞く時は調子よく聞いているけど、自分でトレーニングせずに、同じ事を何度も聞いてくる人がいます。そんな人出会うと教える側はは「教える事のむなしさ」を感じる事になり、もう教えたくないと感じるものです。 
  8. 実行した結果は必ず報告&お礼
    実行した結果、成果に関しては必ず教えてくれた人に報告する人は、かわいがられます。この成果報告こそ、「教えた側」の報酬という事になります。「教えてよかった!」と実感できるのです。そして、「あなたのお陰で○○できました」という一言のお礼が、「こいつには、何度も教えたい」という気持ちにさせるものです。

 

 

 

『教えられ上手な人』になった方が、得になるに決まっていることを教えて上げてください。だけど、そうなる為の努力はやっている人は少ないことも。ちょっとした事でできる簡単な事ばかりなのに…

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リーダーの言いたい事は伝わっているか?知の呪縛とは。

 

「知の呪縛」とは、専門家や勉強好きの人が陥りやすい病。自分が詳しいために「相手も同じくらいに知っている」と勘違いしてしい事を進めてしまうことです。

 


この「知の呪縛」によって発生しているトラブルは、実に多いモノです。知の呪縛に陥ると、

  1. 「自分の発したいメッセージ」が伝わらない
  2. マーケット(コミニケーションの相手)が欲するものと違ったモノを提供してしまう

という事が発生してしまいます。

 


先日、ある農家の方から、「HPでネットショップを作ったので見てください」と頼ました。

見てみると、多いのが「知の呪縛に陥ったHP」。その農家は、みかん、ぶどうなどの果物が作られています。

HPの構成は、

・トップページ

・会社紹介のページ

・商品のページ(通販)

また、「みかん」のページを見ると、

・みかんの写真

・みかんの名前

・みかんの価格

 

これだけ角だけで、「売れる!」と思われていたのです。

その農家は、「無農薬」で丁寧に果物を育てておられ、とても珍しい品種を取り扱われているにも拘わらず、提供しているのはこの情報だけ。

「農家」の方は、専門家なので、果物やその育て方に関しては専門知識が我々より遙かに豊富。だからこそ、彼らは「そんなこと位、みんな分かっているだろう。」という感覚になっているのです。

 

 

知の呪縛に陥ってしまうと、

・どれだけ普通のみかんと違い、甘く、味が濃いのか?

・そのみかんをどれだけ大事に育てているのか?

・安全なみかん、美味しいみかんを作るために、どんな工夫を日々行っているのか?

という、本来伝えたいメッセージが全く伝わっていない状況に陥っているのが、気づかないのです。

 


専門家だから、「そんなの、みんな知っているだろう」という思い込みが原因。

同じような事は、新人や、できない社員の教育の際にもよく発生しています。

 

「こんな常識知っていて当たり前。」「こんなこと位できるだろう」という教える側が知の呪縛にかかってしまい、「彼らにとって肝心なこと」を教えないで済ましてしまう。
結果、彼らは思うような結果が出ず、教える側としては「なんで、あいつらは結果がでないんだろう。きっちり、必要なことは教えたのに」と悩んでしまう。

 

「よく勉強している人」ほど、教えるのがヘタだったりするのも同じ理由です。

 

 

また、クライアントからITベンダーが行う提案企画書のプレゼン会に参加するのですが、ここでも知の呪縛がよく見られます。ITベンダーさんは、3文字アルファベット(例えばCRMとかASP等)をよく使われるのですが、聴いているクライアントの社長は、意味がさっぱり分かっていません。

分かっていないのだけど、分かったフリをして聴いています。後で、社長「提案内容は分かりましたか?」と尋ねると、「全然、分からなかった。どうせ分からないと思ったから、同席してくれと頼んだんですよ。説明してください」等、よく言われます。

 

 

知の呪縛という事で、数年前「WEBでの集客」というテーマを頼まれた際での失敗例。

私は、もう「SEO対策」なんていう事などは、みなさんご存じだろうと思い、ブログを利用したマーケティングを中心に話を展開していました。しかし、どうもお客様の反応が鈍い。そこで、「このセミナーでSEO対策を知ることができると思って参加されている方」と質問してみると、80%くらいがそのようなお客様。危うく大失敗のセミナーになりそうでしたが、そこから軌道修正。なんとか満足いただけるセミナーになりました。チラシにもSEO等の言葉を載せていなかったのですが、このような結果。

「SEOなんて、ベテランの担当者なら、もう知っているだろう。いまさら、その話をしても・・」なんていう私の知の呪縛により、マーケットが欲するモノと違うモノを提供してしまいそうになりました。

 

 

同じような話が本。

今更、こんな事を書いてもみたいな本が実際は売れたりする。逆に、「こんなに詳しく書いてある専門書はない」と専門家からみると素晴らしいという本が売れなかったりします。

たくさん本を読んだり、勉強している人であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。専門分野の領域、得意分野であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。

 

 

みなさんも、仕事のプロ。仕事のプロの領域であればあるほど、専門知識が低い人と接する際は特に、「自分は知の呪縛に係っていないか?」と、自分のメッセージを再チェックする習慣が必要でしょうね。

 

「正しい答えを導き出す」ためには、専門知識が必要だが、「正しい答えを伝えようとする」際は専門知識が逆に邪魔するようになる。

 

知の呪縛から解放された人が、本物のプロ。金の取れるプロになるのでしょう。

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リーダーシップ発揮の為に知るべき心理学7つの基礎

上司、仲間、部下や後輩のモチベーションアップを考える前に、当然、彼らとの良い人間関係作りを行う必要があります。「あの後輩とはなかなか馬が合わない」とか、「あの上司はとにかく嫌い」などといって、人間関係を避けていても、何も前に進みません。

 

個人的感情はいろいろあるかとは思います。しかし、自分が効率よく仕事をこなしていこうとすれば、これらの人に足を引っ張られるワケにもいきませんし、うまく協力させていかなければなりません。

イヤな人でも、人間関係作りは、不可欠なテーマなのです。そこで、人間関係作りを考えていく際に、覚えておいた方がいい、心理学の基礎をご紹介。

 

  1. 返報性
    相手から何かをされると、私達は相手に何かを返してあげる必要性を感じます。特にルールはないにも拘わらず。私達は他人から「良い人」」と思われたいと思っています。他人から何かをもらったのに、それに対して何もお礼をしなければ、「悪い人」と思われるかもしれないという心理負担が生まれるのです。「お返しをしなければ」という事が相手のモチベーションになってくるのです。これを、良い人間関係作りに利用するという視点で捉えれば、「仲良くなりたい人には、まず何かを与えよ」という事ですね。「もの」でも「親切」でも何でもいいんですが、積極的にこちらから何かを与えるという事。相手が喜ぶことであれば、あるほどお返しをしなければという意識が強くなります。与え続ける事が、あなたへの心理的負担が大きくなり、「何かのお返しをしてやらなければいけない」と思い始めるのです。私の好きな言葉に「自利利他」という言葉があります。「自分の利益を考えたいならば、まず、相手の利益のことをしっかり考えなさい」というこの昔の言葉も同じような事を言っているのではないでしょうか?これが、利害の意識なく、自然にできるようになりたいものですね。


     

     

  2. 偏向の盲点
    私達は一度、思考のフレームワークを作ったり、自分のポリシーなどを他人に公表したりすると、そのポリシーに無理矢理合わせた情報収集を行っていくようになっていきます。逆にそのポリシーに合わない事実がでてきても、無視しようとする傾向がでてくるのです。一旦相手を好きになると、「好きを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそうスキになる。一旦嫌いになると、「嫌いということを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそう嫌いになる。逆に、好きになった人の「気に入らない事実」は目に入りにくくなり、嫌いになった人の「素晴らしい事実」は目に入りにくくなります。そのような意味で、ファーストインプレッションで、「どのような印象」を与えるかが、よい人間関係作りでは大切になってくるのです。「良い色眼鏡をかけさせる。」仕掛けを作っていきましょう。また、私達自身も、偏向の可能性があります。いったん、嫌いになった人の「素晴らしい事実」が目に入りにくくなっている可能性があります。嫌いが、更なる嫌いを生む悪循環が生まれます。良い人間関係を作るには、一度、冷静になって、嫌いな人の「素晴らしい事実」に目を向けていく必要があるのではないでしょうか?私達は、実は様々な色眼鏡をかけています。専門領域へのこだわり、過去の成功体験へのこだわり、自分が選択したものへのこだわり、今やっている仕事への執着等々。これらのこだわりが、事実にバイアスをかけて、歪んだ情報収集をしてしまうのです。相手はどんな色眼鏡をかけているのか、自分はどんな色眼鏡をかけがちになるのかを感じ取ることも、良い人間関係作りには大切になってきます。その眼鏡をかけている事を分かった上での、コミニケーションをとっていかなければ、どんなに正論を吐いても、相手からは屁理屈のようにしか聞こえないのです。


     

     

  3. 理屈より好き嫌いの感情
    人の物事の意志決定は、理屈よりも感情の好き嫌いで判断する事の方が多いモノです。好意を抱いている人の発言は信じようとしますし、そうでない人の発言は、それが正しくても信じて貰えなかったりします。人を説得しようという場合でも、論理的説得、プレゼンよりも、まず好きになってもらった方が、話は早いモノです。人が好意を持つモノとして次のようなものがあります。
    1. 外見
    2. 類似性(自分と似ている)
    3. お世辞
    4. 接触回数
    5. 協同作業の体験
    6. 既に好感を持っている人が互いの友人
    いったん、どれかで相手から好きになって貰うことができれば、そこからハロー効果が生まれます。その人物に際立った特徴(外見や職業)があると、そのイメージで他の面まで評価してしまう。これをハロー効果と言います。(後背効果、後光効果などとも呼ばれますが)これらを参考にしていただき、「まず好きになって貰う」ための戦略を作っていく事も重要になります。6つの視点の中で、相手が好きになってくれる為の方法を考えてみましょう。


     

     

  4. おなじみ効果
    これも、偏向の一つですが、私達は「おなじみ」に弱いモノです。よく、カタログなどにのっている定番品とか「今、大人気」とかいう言葉に私達が弱いのもこれです。「自分のまわり(社会、友人)にとっておなじみのもの」に、悪いモノはないハズという思い込みですね。
    もう一つのおなじみは、「自分にとってのおなじみ」。いつも自分がなじみに利用しているものに、悪いモノはないハズという思い込み。
    この思い込みを利用して、良い人間関係を作ろうとすると、いろんな方法が考えられます。

    仲良くなりたいと思っている人には、「長時間の面談時間ではなく、たくさんの回数合うことで、おなじみ感を作っていこう」とか。仲良くなりたい人に、自分の評判を共通の友人の口から行ってもらうなどの方法がでてきたりします。一度、なじみになれば、かなりのムリが効く関係になっていくのです。


     


  5. ハード・トゥ・ゲット・テクニック
    人は、「あなただけに」に弱いモノです。「希少性」ですね。相手を特別視していると思わせ、好意や信頼を獲得する方法を「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」といいます。
    良い人間関係を作ろうとする際にも、これは大事になってきます。
    画一的なコミニケーションではなく、「あなただけに」が大きな好感を与えていくのです。「あなただけに言うのですが」とか「ここだけの話」をされるだけで、その人は、「あなたがいかに自分の事を重要視」しているかが分かるものです。
    「自分を重要視してくれる人」に好感を持たない人はいないのですから。



  6. ローボールテクニック、ドアインザフット
    「自分が決めたことには責任をとらなければいけない」と考える傾向人は強いものです。最初に提示された条件に予想外の変更が加えられたとしても、オカシイと考えずに、「一度OKしたから仕方ない」と考えてしまうのです。こうした心理を応用したのが、「ロー・ボール・テクニック」。ロー・ボール、まず受け取りやすい球をまず捕らせる。そうすれば次の難しい要求も受け入れざるを得なくなるという心理をついた話ですね。相手が認めやすい提案をして、承諾したら次々とオプションを要求していく方法。新人の育成なども、このローボールテクニックやドアインザフットを使っていった方がよいですよね。
    まずは、やりやすい仕事を慣れさせる。そして順次、難しい仕事を与えていく。そうする事で不安がなくなっていくものです。新しい人間関係作りの場合、いきなり難しい事を求めるのではなく、まずローボールテクニックから、始めていき、信頼関係を構築していきましょう。あなたへの「信頼」「好き」という色眼鏡を相手にかけてもらう事からスタートです。



  7. ピグマリオン効果
    ピグマリオン効果(英: pygmalion effect)とは、期待することで、相手がその期待に応えようとして努力するために、成績が向上する事である。逆に、期待しない事によって、成績が下がる事はゴーレム効果と呼ばれています。良い人間関係を構築しようとすれば、相手への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。例えば、物凄く感じが悪い上司だとしても、その人と良い関係を築いていきたいという意志があれば、その人への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。それを持っている限り、ゴーレム効果が働き、もっとあなたにとって都合の悪い人間関係になっていくのです。良い関係を築こうとすれば、まず「期待」を持つ事が重要になるのです。
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3月 11

リーダーの役割10箇条

 

今、上司、リーダーの役割が果たせていない上司が増えているとういコトが問題になっています。

リーダーのモチベーション力、やる気を引き出す力は当然の事かもしれませんが、それ以外にリーダーの役割とは、どのようなものがあるのでしょうか?

以前に読んだ本で、新将命さんが書かれた「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」には、リーダーが果たすべき役割が上手にまとめてありました。リーダー必読の書ではないでしょうか?

 

この本には、リーダーのモチベーション方法についてもまとめてあるのですが、やる気を引き出すこと以外についてのリーダーの役割について、私がこの本から学んだ10箇条をリストアップ

 

  1. サラリーマンは、仕事をしにいく人。ビジネスマンは、結果を出しに行く人。
    リーダーはビジネスマンでなければいけない

    結果を出すことが仕事だから、リーダーは結果を出すためのプロセスにしっかりと関心を持たなければいけない。 

     

     

  2. リーダーは、「付加価値」を提供できなければならない。一歩踏み込んで、驚きや感動を与えることができる仕事をすること。

    当たり前の仕事を当たり前にやっている人には、誰もついてこない。一歩踏み込んだ仕事ぶりに、人は注目をしてくれる。それが「あの人の仕事は凄いな」と部下に尊敬の念を抱かせ、リーダーの「権威」となってくる。権力で人を動かすのがリーダーではなく、権威で人を動かすのがリーダーである。 

     

     

     

  3. リーダーとは、マネージャーの仕事に付加価値を加えた仕事ができる人。
    付加価値とは、
    1.目指す方向性が語れる。方向性=理念(ビジョンの面でのなりたい姿)+目標(数値面でのなりたい姿)+戦略(儲かる仕組み、ビジネスプラン、ロードマップ等の「理念、目標達成の為に何をするか」ということ)
    2.リスクをとって革新に挑める
    3.関心の対象は、「モノ」や「コト」より「ヒト」
    4.短期に加え、「長期」で考えることができる
    5.権力でなく、権威でヒトを動かす

    マネージャーとは、「会社や、上司から与えられた目標」を、達成の為の計画を作成し、与えられたリソース(ヒト、モノ、金)をコントロールしながら、目標達成していく人のことを言います。しかし、リーダーは、それだけでは不十分ということ。この5つは、とても分かりやすいですよね。 

     

     

     

  4. リーダーの役割は、部下が積極的にチャレンジを行うという環境作りを行うことだ。「チャレンジしろ」とハッパをかけることではない

    口先で、「お前達はチャレンジ精神が足りない。なんでチャレンジしようとしないんだ」などと言っても仕方がないこと。チャレンジしようとしないのは、リーダーのせいである。積極的な失敗に対する寛容な姿勢、チャレンジすることへの評価をリーダーが行っていないから、部下はチャレンジしようとしないのである。「チャレンジ姿勢」を組織に作るのが、リーダーの仕事だという役割認識がとても必要になる。 

     

     

     

     

  5. リーダーは願望を語る事で終わってはいけない。目標を語るのが仕事。目標=願望+時限設定+行動計画

    会社や、上司から与えられた目標が、「願望レベル」のものであることも、多いはずです。
    だからと言って、それを部下にそのまま伝えていっては、リーダーの仕事としてはアウト。そのような「願望的な指示」を受けた時こそ、リーダーの真価が問われます。
     

     

     

     

  6. 能力アップは、「実力線」と「認識線」がある。「認識線」は、「実力線」よりタイムラグが遅れてやってくる。
    「認識線」が上がらないことで部下が能力アップへの努力を諦めようとするのを、励ますのがリーダーの仕事である。
    「ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブアップ」


    「ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブアップ」とはチャーチルの言葉だそうです。とてもいい言葉ですよね。例えば、一時間読書をしたり、英会話を勉強したりという努力をすれば、間違いなく実力は一時間前に比べると上がっているハズです。しかし、他人からどう見えるのかという「認識線」は、たった一時間、英会話を勉強したからといって上がりません。「認識線」が上がるのは、タイムギャップが発生するのです。努力を継続して半年後、一年後にしか認めて貰えないケースも多いモノです。他人から認めて貰えないと、どうしても「努力を続けようという意欲」が低下してくるもの。そこで、リーダーが必要になってくるのです。リーダーの励ましという後押しが必要になってくるのです。 

     

  7. 部下がリーダーについていこうとするのは、「ついていけばトクがある」と感じるからである。
    「トク」とは、あなたについていけば、優れたビジネスパーソンになれる。素晴らしいチャンスに巡り会うことができる。出世ができる。元気になれる。楽しく仕事ができる等々である。

    リーダーは、自分がトクを提供できているかを常に自己チェックすることが大事。トクが提供できていなければ、リーダーとしての仕事は全うできないのだ。


    どうしても、リーダーになると、「部下はついてくるのが当たり前。給料をもらっているだろう」と思ってしまいます。そうなると人はついてきません。給料とは別に、「あなたが与えるトク」が、あなたへの尊敬になるのです。
    「俺がこいつに提供できるトクは何か?」をしっかり考える必要がありますよね。
     

     

     

     

  8. リーダーは「他責」の前に、「自責」を行う必要がある


    部下が思うように育っていない時、「部下が育っていない」とは言っていけない。「部下を育てていない」と言う。
    業績が思うように上がっていない時、「業績が上がっていない」とは言ってはいけない。「業績を上げようとしていない。」と言う。
    そのように、原因を他のせいにするのはなく、自分の問題、責任として考える人に部下はついてくるのである。
     

     

     

     

  9. 「任せビリティ」がリーダーの部下育成力をきめる


    任せビリティとは、「任せたと思っている部下が、どれだけ仕事を任せられたと思っているか?」ということ。
    案外、自分は任せたと思っているけど、部下は「イチイチ干渉しやがって。もっと俺を信じて任せてくれよ」と思っているケースは多いのです。
    「任せた」ということは、相手が「信頼されて任せられている」と感じて、始めて「任せた」ということが成り立っているとうこと。これは忘れがちな視点ですよね。
     

     

     

     

  10. スキルの高低、マインドの高低で4象限のマトリックスを作る。この4象限に基づき、人材育成の優先順位を考え、それぞれの対応を考えていく。 f:id:favre21:20081217082131j:image

    • 最優先→人財(リーダー) リーダーをスーパーリーダーにしていくということ。スーパーリーダーが一人できれば、彼らがチームを引っ張り、活性化してくれる。育成のキーワードは「任せる」ということ。
    • 2番目→人材(ビギナー人材) 「鉄は熱い打ちに打て」という言葉があるように、早いうちに徹底して教育を行う。育成のキーワードは、「スキル教育」
    • 3番目→人在(フォローワー人材) スキルはそれなりにあるが、動機や意欲に欠けるので、鼓舞したり、モチベーションを上げることが大事になる。育成のキーワードは「モチベーション」
    • 4番目→人罪(ルーザー) 確かに悪貨が良貨を駆逐するというコトもあるので大事ではあるが、最優先的事項ではない。すぐにクビを切るなどという対応の前に、1~2年を猶予期間として、その間に「しっかりと時間をかけ、じっくりと刺激を与えていく」ことがキーワード。カンタンにクビを切れば、他のメンバーが「明日は我が身」と感じ、萎縮してしまう

 

 

 

その他に、新さんのとても印象的な言葉を一つ。

「どうも上司の粒が小さくなっていると感じざるおえない。・・

なぜ小粒化しているのか?・・・

教育の問題だろう。社会の理念や徳目といった、根元的な教育が手抜きされているのではないか?

企業内教育にも問題がある。日本の大企業の教育現場をみると、まさにスキルトレーニングばかりをやっている。

リーダーシップのなんたるかを教えている企業は皆無とは言わないが、例えあったとしても、ほとんどの場合が、軸足がスキルに向いてしまっている。セールススキルやコンピュータの使い方というスキルは学べるのだけれど、リーダーシップマインドが学べる場が、涙が出るほど少ない。

まさに、私もそう思います。

このような時代だからこそ、リーダーシップマインドや、モチベーションについて、しっかりとした教育が必要になるのではないでしょうか?そうしないと、私の上司は「能力」が低すぎます!:NBonline(日経ビジネス オンライン)と言われてしまいます。

 

 

 

リーダーの押さえるべき10箇条の前に、押さえておくべき事を最後にもう一つ。孫子の兵法に次のような言葉があります。

    「故に曰く、彼れを知りて己を知れば、百戦してあやうからず、

     彼れを知らずして己を知れば一勝一敗する。

     彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必ずあやうし。」

 

まず、知るべき事は「自分」です。

自分の性格の長所・短所をしっかり理解して自分のスタイルを整理しておきましょう。リーダーの押さえるべき10箇条は、自分の性格に合わせてアレンジする必要があります。性格的な無理は、長続きもしないし、うまくもいかないからです。

 

自分を整理するには、弊社が提供している「ビジネス特化型の性格検査 UPシステム」をご活用下さい。

性格だけでなく、ビジネス能力、ビジネスコミニケーション力等の強み、弱みも整理できるので、こちらを活用してもらいながら自分のスタイルを整理して頂ければと思います。無料お試しもあるので、お気軽にご利用下さい。

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3月 11

離職率が高い職場のリーダー特色

まだまだ人手不足の時代は続きます。
しかし、やっと採用できた人材達を配置をしてみると、すぐに退職してしまうという職場があります。そんな離職率の高い職場のリーダー達には特色があります。

 

人間関係に悩んで 人間関係に悩んでいる人がサラリーマンにはとても多い。私もサラリーマンの時そうだった。社員が退職する最も多い理由は、上司との人間関係。いだから辞めていくのである。

 

 

その人間関係をややこしくしている大きな原因の一つに、リーダーシップやモチベーションについての考え方があるのではないだろうか?
いまだに日本人が考えるリーダー像は、「闘将型」「戦国武将」「明治維新の際の志士」的な、睨みを効かせてガーンっというリーダーシップではないだろうか?
言うことを効かないのであれば鉄拳制裁も辞さないという強い男のリーダーシップ(鬼の上司)である。

 

 

さすがに、企業内で鉄拳制裁するわけにもいかないので、本人は気づかないのだが、そのような人は言葉の鉄拳制裁を部下に行っている。
言葉の鉄拳制裁といってもいろんなパターンがある。

  • 怒鳴り散らし、感情的な言葉、侮辱する言葉をはく人
  • ネチネチと長時間かけて追い込む人
  • いつも「ガンバレバ何とかなる」と精神論、根性論ばかりを押しつけてくる人

等々

 

 

言葉の鉄拳制裁を行うには、バックボーンにそれの倍以上の愛情がないといけない。しかし、実際に言葉の鉄拳制裁をよく行っている人に限って、愛情や気遣いが薄かったりする。
部下にしたらたまったものではない。
そんなリーダーのもとからは、優秀な人材から辞めていく。こんな悲劇が今もどこかで繰り返されている。

 

 

モチベーション=動機付けと考えた時、人の動機は大きく2つである。

  1. 痛みを避けようとする
  2. 快楽を得ようとする

 

私たちの脳は、そのように本能がプログラミングされているのだ。動機付けに関わる「痛み」と「快楽」には2つの脳内物質が大きく関係してくる。
一つが、痛みが発生した際に出るノルアドレナリン。2つめが快楽を感じたときに出る脳内物質ドーパミン。動機付けとは、この2つを発生させていく事にあるとも言える。

 

言葉の鉄拳制裁を振るうリーダーは、ノルアドレナリン型モチベーションの信奉者でもある。
人は痛みや恐怖を感じると、脳内にノルアドレナリンを分泌する。そのノルアドレナリンを使用しながら、人は「痛みからの逃避」か「痛みとの闘争」という行動に入っていく。(危険なライオン等の動物に出会った時のとっさの本能的な反応ができるのは、恐怖によるノルアドレナリンの分泌のお陰。)

 

 

このノルアドレナリンの分泌は、瞬間的には、強いモチベーションになり、人を行動に駆り立てる。(瞬間的爆発力の観点で言えば、痛みの恐怖は、快楽を求めるモチベーションよりも人を行動に駆り立てます。)
人間が適者生存で生き残る事ができたのも、このノルアドレナリンが出る仕組みがあったからだろう。
企業の中でこのノルアドレナリン型モチベーションはかなり多様されている。例えば

  • 業績給によるモチベーション(多くは賃金が下がる恐怖の方がモチベーションとして左右している)
  • 社員への管理強化・会議での叱責、怖い上司
  • 朝礼や会議での激!
  • 数日間の気合いを入れるための研修会
  • 自分の問題点を嫌気がする迄見つめる研修会

 

これらの効果は、多くの企業で実証済みだろう。私共でも、実際に研修会等も行わせて頂いている。ノルアドレナリン型モチベーションは、ドーパミン型モチベーションより即効性が高いので、これを好まれている管理者も多いのだ。

 

「私のカツであいつが変わった!」「あの研修で劇的に変わった」といういような、部下を瞬時に変化させる成功体験を積まれた方も多いのではないか?しかし、問題は持続性。ノルアドレナリン型モチベーションは、「ここぞ!」という場面では、使ってもいいのだが、劇薬だ。

 

なぜ、劇薬なのか?長く使い続けるといけないのか?

 

痛みが続くと、ノルアドレナリンの使いすぎにより、痛みが麻痺状態になっていく。
やがてその痛みが当たり前になり、痛みや恐怖がモチベーションとして機能しなくなり、無気力行動になってしまうベトナム戦争に行っていた帰還兵が戻ってくる廃人のようになったというようなエピソードなどもこれらが原因と言われている。

よく、闘将と言われるスポーツ監督の業績が瞬間で終わるのは、その為だ。

 

1年~2年はその監督が指揮をとると、劇的に組織は強くなる。しかしその後、組織構成員が疲れてきて、無気力的な状況になるのだ。プロスポーツチームの監督のように短期間勝負であれば別だが、長期の利益管理が仕事になる一般企業の経営者や管理者がこのノルアドレナリン型モチベーションに頼るのは危険だ。

 

例えば、営業が苦手なIさん。彼に電話営業の仕事が命令されたとする。
Iさんの脳には、命令と同時に、ノルアドレナリンが分泌され、「イヤだな。他の仕事で忙しいと言い訳して、電話営業をさぼれないかな?」(逃げる)とか「イヤだな、苦手だけど仕事だから仕方ない。とりあえず電話営業を頑張るか?」(戦う)と考える。
「電話営業を避けようと、さぼってしまえば」(逃げる)とそれでIさん成功への道が閉ざされていく。
上司から怒鳴られる恐怖も容易に想像できていく。
しかし、Iさんが「イヤだけど我慢して、とりあえず電話営業しよう」(戦う)と考えても、あまり明るい未来はない。瞬間的には頑張れたIさんだが、それが長期間にわたり、「仕事=電話営業がイヤだな」と考え続けていくとどうなるか?
ノルアドレナリンの使いすぎにより、「頑張って仕事を乗り切っていこう」とする気持ちを継続する事ができなくなる。
そして、仕事への無気力状態に陥ってしまいます。更に、いつも小さな事でイライラして集中力もなくなり、周りの人からも敬遠されていき、成長へのチャンスも減っていく。

 

ノルアドレナリン型モチベーションを多発すると長期的には組織は沈滞化してしまう。

 

効果がある事も確かだ。しかし劇薬だからこそ、上手な使い方が必要になる。最も怖いのは、この劇薬は使う側に中毒をもたらす事。上司がノルアドレナリン型モチベーション中毒になれば、その組織は中長期的には崩壊していく。
恐怖で人を長期間管理し続ける事はできないのだから。

 

退職者が続出し、社員があきらめムードになり、自分で考えようとはしなくなっていく。
そしてノルアドレナリン型モチベーションの効果の効き目がどんどん短期になっていく。
「以前は1回怒鳴れば3ヶ月くらいピリッとしていたのに、今は3日くらいしか効果がなくなった」と言った結果になるのだ。

 

 

兵法で言えば、ノルアドレナリン型モチベーションは「奇策」にしかすぎない。
「正攻法のドーパミンを発生型モチベーション」が「ノルアドレナリン型モチベーション」に真の効果をもたらすという事を覚えて置く必要がある。
火事場の馬鹿力がどうしても必要な時以外は、、ノルアドレナリン型モチベーションを使わないという覚悟が管理者には必要になってくる。これを人を管理していくポジションにある人達に、教育していく必要がある。
劇薬が誘惑していきますから・・

 

 

カンフル剤をいつも使っていたら、肝心な時にも使えなくなる。
あなたの会社にいませんか?ノルアドレナリン型モチベーション中毒患者の管理者が・・

 

この人手不足の時代。この問題を放置はできないハズ。
問題解決、社員の定着化は、これからの時代のキーワードになってきます。に向けて、リーダーズモチベーション研修を検討されることをオススメします。

 

 

 

 

 

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3月 11

意識改革を成功に導く3つのポイント

 

 

日本電産の永守社長がよく言われている
経営力=(仕組み(仕事の進め方、行動パターン、マネジメントスタイル等々)+匠(技術力、経験、資産))×意識
という言葉があります。経営の本質をシンプルに表した実にいい言葉です。

 

 
仕組みや匠は大事だけれど、意識は直接、掛け算として経営力に影響してくる。それほど「意識」が大事だという事を表現された公式だと思います。

 

永守社長だけでなく、多くの経営者が「意識改革」の重要性を説かれます。
そして、私達も日常において、よく意識改革という言葉を使います。

 

仕事でよくリーダーの皆さんと話をする機会があるのですが、 「部下の意識改革がしたいんですね?」という質問はゴールデンワードです。
そう質問すると、
「そう。みんなの意識改革がしたいんだ。今のままの意識ではいけないんだ。まずは、意識改革からがスタート」っていうように話が盛り上がっていきます。

 

この一連の会話の後、私はいつも次の質問を続ける事にしています。
「意識改革というと、彼らのどんな意識を、今どのように変える必要があるんですか?」

 

こうと聞くと、考え込まれるリーダーがかなりいます。あるいは、ポイントが掴めないような意味不明な事を言われるリーダーもいます。

 

ピシャっと「○○について意識改革が必要だ!」と言われる方は、実は少なかったりします。

実は意識改革が進まない理由は、「意識改革しなければいけない」という精神論で、思考がストップしており「何を意識改革しなければならないか」「意識改革を進める為に、まず自分が何をやるべきか?」まで一歩深く考えていないことが原因ではないかと思うのです。

部下の立場からすれば、「意識改革しろ!意識改革しろ!」と抽象的に鼓舞されたとしても、何を意識改革すればよいか分かりません。
また、抽象的な「意識改革をしろ」という言葉で捉えると、部下の意識の全否定となってしまうだけ。

抽象的な「意識改革」という言葉は、全く役に立たないと思うのです。

「今の意識の何に問題があり、どう変わればいいのか?」という事が分かってもいないのに、意識改革はできるはずがありません。しかし、漠然と意識改革とお題目を言われるリーダーが多いのが現実です。

 

BizPlus:コラム:中島孝志氏「社長の愛した数式」第56回「日本電産・永守重信社長流 意識改革の法則」の中にこんな言葉がありました。

 

出血多量で危篤状態に陥っている企業の再生には、まずは止血することです。栄養補給や体力回復、体質改善はそれができてからの次善の策です。すなわち、赤字垂れ流し企業の再建でいちばん重要なポイントは、「出るを制すること」が急務の策です。

 そのためにも、まずは役員から末端の従業員にいたるまで、経費削減に対する健全な意識を植え付けること。そして会社として、コストを削減する仕組みを構築すること。この2つが垂れ流し企業からの復活=V字回復には絶対不可欠の課題なのです。 永守流経営で意識と仕組みを一新して三協精機の快進撃が始まります。

永守社長は、抽象的に意識改革と言っているのではないから、成功しているのでしょう。抽象的に意識改革を求めているのではなく、「出るを制す」というテーマが絞れていると思うのです。「コストを削減」に関心を持たせ、「コスト削減に協力しよう」というやる気にさせるという明確なテーマを持って取り組まれているから、上手く意識改革が進んでいると思うのです。
またこのコラムにはこんな言葉がありました。

 

 

 意識を高く長く維持するために必要なこと。それはなんでしょうか?

 社長など、しかるべきキーパースンがあなたの行動を注目しているというメッセージがベースにあることが重要なのではないでしょうか。人間、どうせ「ワン・オブ・ゼム(その他大勢)」だと考えている限り、「自分1人ぐらいいいだろう」といい加減になりがちですが、「オンリーワン」で数値目標まで示されては手を抜けません。こういうコストに対する意識を植え付けることが個人の能力、チーム力ばかりか、企業力の底上げにつながるのです。

「意図の変革」→「注意の変革」→「意識変革」→「行動変革」という形で行動変革は起こっていきます。

まず「何」を最も意識改革をすべきかを考え、そこに思考を集中させる。(意図の絞り込み)人間、たくさんの事に注意を払う事はできません。
日常において、私達はたくさん考えることがあるので、たくさんの意図を持ち、暮らしていこうとすれば、どれにも注意力を払うことが逆にできなくなるのです。

 

次に、実際リーダーが「意図」に対して、注意を払って行動を行う事で、率先垂範で行動革新を示してみせる。自分が必死に行動を変える努力を行う事で、「意識改革の対象」へ、上滑りしない「注意力」が養われ、意識改革が図られる。
自ら意識改革された状況になってこそ、部下の細かな行動に対して関心が持て、注意力が働くようになる。
常に、リーダーが「その対象」を意識して組織を見ている、本物の注意力が働く状況作りが大事だと思うのです。(瞬間ではなく、継続的な関心が必要になってきます。)

 

また、「意識」という見えないものが、「リーダーの行動変革」を見る事で見える化されることで、部下に「意識改革」の具体的姿がイメージできるようになるのです。
例えば、「コスト削減」という部分に意識改革を起こしたければ、まず、自分が「コスト削減」を意識した行動を取る。社員に「コスト削減」と叫んでいるけど、それが進んでいない会社などは、社長さんがコスト削減の努力が社員の側から見えなかったりします。

 

私のクライアントだった社長さんは、「コスト削減」意識を社員に呼びかける前に、自分の「コスト削減」を徹底して行われました。車は「セルシオ」から「軽自動車」にし、給料も大幅に削減し、自分の身の回りのものでムダと思えるものを削る努力をされました。そして、社員に「コスト削減」についての意識改革を求めていきました。

 

部下に意識改革を求めるには、

  • 「何」を意識改革が必要なのかというテーマを絞り込み
  • そのテーマをもとに、まず、自分の意識改革どころか、行動改革を行う(シンボリックな行動革新を見せる)
  • そして、「そのテーマ」に対し、リーダーが注意と関心を持ち続ける

これがスタートになってくるのです。

 

 

 

意識改革実現の為に、まずリーダーの意識改革が必要になります。
リーダーズモチベーション研修で、「何を」やるべきか?をリーダー達に意識化をさせていくことから始めてみませんか?

 

 

 

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3月 11

やる気を誤解したリーダー達が招く悲劇

「やる気」という事に関して、ホントに誤解している人がたくさんいます。そして、その誤解は悲劇を生んでいきます。昨日、友人の社長と話をしている際、2つの悲劇を知ることになりました。

一つが、その社長が、リフォーム会社に訪問した際の話。

 

 

リフォーム会社の社長  
「うちは、頑張っているヤツには、天井知らずで給料を払うんだ」

友人             
「凄いですね。社長は『やる気』を特に重視しているんですか?」

リフォーム会社の社長  
「もちろん。全ては『やる気』だよ。だけど、最近の「営業マンはやる気がないヤツ」が多いね。うちの営業マンはすぐに辞めるんだよ。1日で辞めるヤツもいるくらいだ。根性がないヤツが多いね!」

 

何か、話がおかしいなと思った友人は、リフォーム会社の社長に、詳しく「やる気を上げる為に、どうしているか?」を聞いたそうです。すると、

 

 

リフォーム会社の社長 
 「うちの会社の営業は厳しいんだよ。どこにでもある商品だしね。売り方も飛び込みを中心。ほとんど断られる事が仕事さ。売上を上げるのもカンタンじゃない。やっぱ、気合いが必要なんだよ

だから、数字をあげれない奴は叱りとばして、徹底して追い込むね。朝礼も厳しいし、ウチの月末会議なんかは、泣くまでやるからね!だけど、頑張ったヤツには、給料をいくらでも出すよ。それが、うちの『やる気を引き出す仕組みさ』」

 

 

 

これ、どう思います??

「やる気を引き出す」というと、何か精神論的な事ばかりをイメージされる人がいます。この社長は、「やる気を引き出す=やらなければいけないという気持ちに追い込むこと」という間違った定義のもとに、仕事をされています。

「やる気を引き出す=自らやりたいという気持ちにさせること」が本筋だと理解できていないのです。
また、「やりたい」という気持ちにさせるには、
・自律性
・有能感
・信頼感
という3つが必要であり、「部下に有能感を感じさせるには、精神論の問題だけではない」という「やる気のフレームワーク」が全くご存じないのでしょう。

「売れないような商品と、売れないような営業方法しかない」状況で、有能感など感じることができるワケがない。「これをやったら、いい結果が出るという仕組み」が用意されていなければ、「有能感」など感じる事ができない。「ウチの会社の商品や営業では、何やってもうまくいかない!」と諦めているのでは、やる気など出てきません。

 

 

「営業マンのやる気」を生み出すには、「売れる仕組み」を見直す必要が最優先的にあるという事が、この社長さんには分かっていないのでしょうね。精神論だけで、「やる気を出せ!」などといっても、ムダ。ムダどころか、悪影響の方が大きいというのが分かっていない。

こんな「やる気を引き出す」能力の欠如した会社で働く営業マンは、ご愁傷様というほかありませんね。ある意味、悲劇ですよね。だけど、多いんですよね、こんなリーダーが。

また、その社長とミーティングをしている際、もう一つ「やる気」について理解していない会社の悲劇と出会うことになりました。

ちょうどミーティングをしている時に、あるSFA(営業管理システムソフト)メーカーの営業マンがやってきていました。友人が、ちょっとその営業マンと挨拶を交わし、席に戻ってきた後の会話

友人  
「あのSFAの会社。営業マンがよく辞めるんですよね。これで、ソフト導入後、3人目ですよ。担当者が変わったの。」

私    
「定着率が悪いんですね。」

友人  
「面白いのが、担当者の次の転職先。同じソフトを販売している、二次代理店に転職しているんですよ。転職しても、売っているものは一緒。商品はいいと思っているけど、会社がイヤなんでしょうね。」

私    
「SFAは、ヘタに使うと、社員の監視ツールになって逆にモチベーションを下げちゃうことが多いんですよね。細かな事までシステムの中にデータが残っているので、管理者としては「ツッコミどころ満載」という状況になりますからね。事細かな事まで管理するマイクロマネジメントをしがちになるんですよね。管理者は、悪気はないんですけどね。」

友人  「そうみたいですね。あそこはメーカーなんで、フルにシステムを使いこなす事ができるんで、データーを基に、営業マンを徹底して管理しているみたいですよ。可哀想になるくらい。それに嫌気がさして、辞めてるみたいですよ」

こちらの方は、せっかく素晴らしい商品、売り方を持っているのに、残念な話です。

 

 

言葉は悪いですが、「キチガイに刃物」という言葉があります。「やる気を生み出す仕組み」を理解していないリーダーが、「SFAという仕組み」を使うと、逆に「人が辞めていく仕組み」になってしまう。悲惨な話です。

それこそ、「有能感」を感じさせる仕組みとして、SFAはホントは素晴らしい仕組みなんですけどね・・

「やる気を育てるフレームワーク」を知らないと、社長、管理者、そこで働く社員。全てに悲劇をもたらしますよね。そんな事を感じさせる2つの例でした。

 

リーダーズモチベーション研修を一人でも多くのリーダーに受講頂き、しっかりとした「やる気のフレームワーク」を理解してもらいたい。そして、一つでもこのような悲劇が減っていけばいいなと思います。

 

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3月 11

部下のやる気を引き出す話し方7つのコツ

あなたは、部下をモチベートしようとするとき、どんな話の仕方をしていますか?単なる説明と違い、「部下のやる気を引き出す話し」は難しいものです。

そこで、部下のやる気を引き出す話し方のポイントをご紹介。

 

 

1. 部下の「メリット」を最初に訴える

 
よほど、普段の人間関係が出来ていない限り、あなたが訴えたい事からスピーチに入ると、部下は拒絶します。表面上は、真剣に聞いたフリをするかもしれませんが、上の空で聞いている場合さえあるでしょう。

「やってもらいたい事」は、「部下のメリットを実現する手段」としてを位置づけてスピーチを組み立てる事がとても重要です。この位置づけができなければ、部下のやる気を引き出す事はできないのです。

 

「今、会社は○○が必要になっている。是非、みんなにも協力して欲しい」と、組織の都合、上司の都合から話をスタートしては、部下に「やろう!」という気持ちをさせる事は難しいものです。

 

 

「君達は、○○を望んでいるよね。それを実現するために、何を目指すべきかという事を説明していきたい。」という具合に、相手のメリットから先に伝えていく必要があるのです。あなたの提案する話に夢を感じて貰う事。これができればBESTです。

 

 

自分の都合を押しつけるだけでは、部下はやる気になってはくれないという事を忘れないでください。この為には、前提条件として、「部下が望んでいること、夢や目標、ニーズ」をしっかり事前にリサーチしておく必要があります。

 

部下のモチベーションを上げたければ、「部下を知る」がスタートです。

 

2. やる事の意義を伝える

 
部下のメリットを中心にして話すだけでも、かなりモチベーションが高まりますが、次に「やる事の意義」をしっかり理解させる事が、同じくらい大事になってきます。

 
「やる事の意義」がしっかり理解できれば、人は犠牲も、ハードワークも厭わないのです。

 
「やる事の意義」とは、単に「その部下にとってメリットがある」というだけでなく、もっと多くの人(例えばお客様や他の社員等の周りの関係する人々)に大きな喜びを提供できるということです。
それをやる事で、社会や顧客をどう革新・変革させていくのか?
どんな「ワォー」と感じる喜びを提供してくのか?
どんな「ありがとう」という声や笑顔を頂ける状況を作る事ができるのか?
どんな社会的な価値を提供できるの?
いわゆる大義名分というヤツです。

 

あなたがやらせたい事は、部下個人だけにメリットがあるというのではなく、会社、お客様、地域、世界、地球にとって役立つ話だという事を訴えるのです。まず、これを事前に整理して、スピーチを始めましょう。

 
「より、たくさんの人に何かに貢献していきたい」と考える心を刺激、揺さぶることで、彼らに内在している大きなパワーを引き出す事ができるのです。

 

 

3. 正しい危機感をもってもらう

 
実は夢だけで「やる気」になる人は少ないものです。「いざ、動く」という段階になった時に、大事になるのが危機感です。

 

「今のままでは、ダメですよ。危ないですよ。」「これに取り組まなければ、マズイことになっていきますよ」という危機意識を、話の中で植え付けていく必要があるのです。(大袈裟に危機感を煽る必要はありませんが)

 

例えば、「もしこの事にチャレンジされずに、現在の問題が解決できなければ、君が危惧している○○の可能性が現実化されるかもしれない」という具合に、話をするのです。

 

この話を行う為には、前提条件があります。
それは、部下の問題意識、何について危機感を感じているのかを正しく知ることです。部下が「何に問題意識を持っている、何に困っている、何に怯えている、何が不安なのか?」をしっかり事前にリサーチしておき、彼の具体的な危機感を揺さぶる話をしていく事が肝心です。関心のない事について危機感を煽っても仕方がないですよね。

 

 

4. 話はシンプルに!3つのポイント的に絞る

 
「やる気を出して貰う」以前に、話が複雑すぎると、部下は理解不能に陥ります。
目的は、行動を変えて貰う事ですよね。その為には「やる気」にさせるには、部下の頭を刺激し、話を整理させ、記憶させなければいけません。その為には、3つのポイント程度くらいの話しかムリ。

 
目的は、「やる気を引き出す」ことです。インパクトを与える為にも、話のポイントは、少なく絞りましょう。「シンプル!シンプル!シンプル!」を意識しましょう。

 
説明会では、人の心は動きません!

 

 

5. カンタンにできると感じて貰う(できるという確信)

 
ビジネス書のベストセラーを見ると、「あなたでもできる、すぐできる、○分でできる」というカンタンワードが連呼されています。私もこのキャッチにすぐ引っかかってしまいますが、皆さんもそうではないでしょうか?

 
「カンタンにできる」というイメージは、それほど大きくモチベーションを左右していくのです。

 

どんなに価値あること、素晴らしい事でも「自分にはできない。自分には難しい。」と部下が感じた瞬間にやる気がうち砕かれていきます。真面目な方が「やる気にさせる話し方」が下手な原因がココにあります。いきなり丁寧に、細かな事まで話をしようとするから、聞く側はすぐに「難しそう」と嫌気がさしてしまうのです。

 

部下に、やる気を持ってもらいたければ「カンタンにできそうだ!」と感じるように、話をしていかなければならないのです。まずは、あなたが「やる気をもって欲しい事」に関して、話をシンプルにしてアウトラインを説明し、「自分にでも出来る」と部下に確信をしてもらいましょう。

 

そして、部下がやる気になってきた時点から、詳細については詰めていけばよいのです。相手がやる気にもなっていないのに、詳細の話などをしても仕方がないのです。

 

 

6. 数字だけを話すな!複雑な話は、物語化

 

数字は、人の心を「やる気」にはさせてくれません。話を機械的にさせるだけ。

 
数字の背景にある物語や、数字をビジュアル化して話をする必要があるのです。

 
例えば、うどん屋さんで「売上を2倍にしよう」という話であれば、「お昼の賑わいだけで終わらせないようにしよう。夜も昼と同じように、行列ができて、お客さんからひっきりなしに注文が飛び交うような、活気に満ち溢れている状況にしよう」のように表現していきましょう。

 

 

複雑な事、難しい話であればあるほど、物語、エピソードを織り交ぜて語りましょう。例えば、経営計画の発表など。たんに数字とやらなければいけない事を伝えても、これらの場合は頭に残らないのです。

 
論理的な話は、頭になかなか入ってこないのですが、頭の中にビジュアルが浮かぶ話や、物語や例え話はスーッと頭の中に入ってくるモノです。

 

 

7. 自分が自信を持つ

 

 
皆さんは天才詐欺師と呼ばれるような人に会われた事がありますか?運が悪いことに、私は一度、出会ってしまいました。後から、私はナゼ、騙されたかを考えました。

 

一般人であれば、ウソをつくと、後ろめたさから、自信なげに話をしてしまうのですが、その詐欺師は「ウソの話でも、ホントの事以上に自信満々に話をしていたのです。だから私は、まんまと騙されました。

 

例え話は悪いのですが、「自信ある立ち振る舞いは、ウソを隠すほどの威力」があるという事例です。

皆さんが行っている事は、ウソでもないでしょうし、不正をやる事でもないと思います。それだったら、もちろん、自信満々の態度をとって良いはずですよね。

 

上司が、自信満々に話をしてくれると、その話に対する部下の信頼感が高まります。逆に、自信なさげな話に対して信頼感も持てませんし、まして、やる気など起きるわけがありません。

 

 
あなたにとってそれが自信がない事だとしても、その気持ちを部下に見せてしまうと絶対にアウトです。まず、話をする前に、しっかり自分がその話しに納得し、自信を持ちましょう。

 
・大きな声で
・しっかり顔を上げ
・ヘソに力を入れて背筋をピンと伸ばし
・ゆっくりとした口調で
・そわそわした態度をとらず、どっしりと
・話をする部下の全員の顔をしっかり見渡して
・相手の目を見ながら
話をしていきましょう。そうれば自信を持って話をしているように見えるのです。

 
特に、「モチベーショントーク」が苦手な方は、じっくり「今から話す事は、誇れることか?後ろめたいことはないか?」という事をじっくり事前に考える時間を持ってスピーチに臨んでください。そうすれば、きっと自信が沸いてくると思います。

 

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3月 11

部下のやる気は2種類ある。『やりたい』と『やらねば』

リーダーはよく「やる気を出せ!」と、部下に叱咤激励をしますよね。
じゃ、「やる気のある状態」はワンパターンかというとそうではない。

 

実は、「やる気」は2種類あって、
「やりたい」という気持ち
「やらなければいけない」という気持ち
これは、どちらも「やる気」です。「やりたい」という気持ちも、「やらなければいけない」という気持ちも、私達を行動に駆り立ててくれる「やる気」なのです。

 

「やりたい」という気持ちは、「好き」という感情や、「やっていて楽しい」という「ウォンツ感情」から生まれてきます。
仕事に行く際は、グズグズ布団から出ることができない朝寝坊の人も、「大好きなゴルフ」になると、誰から命令されることなく、、自ら、朝早く起きてしまう。

 

一方、「やらなければいけない」という気持ちは、「必要性」、「マスト感情」から生まれてきます。給料を稼ぐためであるとか、上司からの叱責を受けない為であるとか、人より早く昇進する為であるとか。
孫子の兵法の中に「兵を死地に追い込む」という話があります。
マンパワーに劣るような戦いでは、あえて自らの兵を「後ろは崖で下がる事ができない死地」で戦わせると「前に進んで戦うしかない」という気持ちになり、通常より遙かなパワー、やる気を発揮し、人数以上の力を発揮するという事。

 

実は、「部下にやる気を出させる」という話をする際、多くの人は、この「やりたい」と「やらねば」を混同して話をしてしまいます。やる気を出させると言っても、この2つは、全く違ったアプローチが要求される事はお分かりでしょう。

 

「やりたい」という気持ち、「やらなければいけない」という気持ち、それぞれが特色があります。

 

「やりたい」という気持ちは、前向きで、明るい気持ち。よく、「好きなことを仕事にしろ!」と言われる人がいます。それは、好きなことを仕事にすれば、「やりたい」というやる気が自然に沸いてくるからでしょう。
好きな仕事をやっていると、誰から、命令される事なく、「やりたい」という気持ちが沸いてきて、セルフモチベーションを図ることができる。「やりたい」という気持ちは、長期持続が可能だということ。

 

一方、「やらなければいけない」という気持ちは、悲壮感が漂うモノになります。私達は、飢えない為、生き残る為には凄いパワーを発揮します。「火事場のバカ力」という言葉も昔からあるように、「やらなければいけない」という気持ちは、瞬間的には凄い行動を生み出していくということです。
ただ、長続きするかというと、普通の人では、この気持ちを継続させる事ができない。「やらなければいけない」という気持ちが、長期間続くと、ストレスで逆に生産性の低下を招いてしまう人もいます。

 

2つを整理すると、
「やりたい」という気持ちの刺激は、「高いレベルの行動、長期間継続させる」のに向いている。
「やらなければならない」という気持ちの刺激は、「短期間に、爆発的に行動変革させる」のに向いている。

 

上司としての視点からつけ加えるとすると、「やりたい」という気持ちを部下に育てようとすると、少し時間が必要になる。手間もとる。一方、「やらなければならない」という気持ちは、一度、怒鳴るだけでも、そのように仕向ける事ができる程、カンタンで、即効性があるということ。
だから、ある意味、「やる気にさせる=やらなければならないという気持ちにさせる」と思っているリーダーも多いのです。
「やらなければいけない」という気持ちを引き起こす手法を多用すれば、どうなるか?「やりたい」という気持ちがなくなっていくのです
。同じ、「やる気にさせる」という事になるのですが、この2つには、大きなミゾが流れているという事を知っておく必要があるのです。

 

 

「やらなければいけない」という気持ちが続くと、その仕事に興味が薄れてきて、義務感を感じてしまうようになる。この手法は、カンタンだし、即効性がある。
だから、リーダー側も多用してしまう。多用してしまっているうちに、いつのまにか、「部下のやる気」は崩壊してしまう。こんなケースがタタ見られます。

 

リーダーは長期間、部下を預かるものです。「高いやる気を長期間持続してもらう」ことが大事なハズ。瞬間的だけやる気になってもらえばいいという話とは違います。(オリンピック期間中だけ、やる気になってもらえばいいという話とは違います。)

 

リーダーズモチベーション研修では「やりたいという気持ちにさせる」という事をPULL型モチベーション。「やらなければいけない気持ちにさせる」事をPUSH型モチベーションと名付けています。
「部下のやる気を育てる」基本は、PULL型モチベーション。これがベース。とは言え、「部下のやる気」を一気に高める必要がある時もあります。組織の緊急事態が発生した時などです。そんな時、PUSH型モチベーション。

 

リーダーはこの2つを上手に使い分けていく必要があるのです。

 

孫子の兵法に、「戦争に勝つためには正と奇を使い分けることが肝要」という言葉が出てきます。勝利をつかむには、正攻法を中心に使いながら、アクセントとして、奇襲を上手に織り交ぜていくとが肝要という意味です。
部下をやる気にさせようとする場合も、同様のことが言えます。
「PULL型モチベーション(「やりたい」という気持ちにさせる)」が正攻法 
「PUSH型モチベーション(「やらなければいけない」という気持ちにさせる)」が奇策であるということです。

 

平時は、「PULL型モチベーション」で対応していくことが理想です。しかし、いつも「PULL型モチベーション」で乗り切れるわけではありません。緊急事態や、即座の対応が求められる状況、組織メンバーに強烈なカンフル剤を与えなければいけない場面なども起こってくるでしょう。そのような事態に陥ったとき、奇策である「PUSH型モチベーション」を使うのです。

「PULL型モチベーション」で部下との間に信頼関係が構築できていない人は、「PUSH型モチベーション」をいくら上手に行っても、部下はやる気になってくれません。「PULL型モチベーション」をベースに考えてください。その際、「PULL型モチベーション」と「PUSH型モチベーション」のバランスは、黄金律の80対20程度が目安になるのではないでしょうか?

 

この2つの手法の使い分けは

  • 親であれば、子供に「勉強したい」という気持ちをどう引き出すか?
  • 結婚している人、恋人がいる人であれば、パートナーに「もっと愛したい」という気持ちをどう引き出すか?
  • 営業マンであれば、お客様に「買いたい」という気持ちをどう引き出すか?
  • システム部門の人であれば、現業部門の人達に、「新システム導入への協力したい」という気持ちをどう引き出すか?

 

この2つの部下のやる気を引き出す技術は、そんな場面でも共通して使える手法です。

 

相手が子供であれ、お客様であれ、奥さんであれ、今回ご紹介したモチベーション方法を使っいく事ができれば、その「やる気を引き出す事」ができていくと思います。

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3月 11

部下のやる気を引き出すフレームワーク

労働白書によると、「仕事のやりがい」を感じている人は16.6%にしか過ぎないという状況。なんと働く人の6人中5人は、仕事にやりがいを感じないまま仕事をしているという現状です。

 

 

私が、新入社員時代。今から約20年前。
その当時は、まだバブル前。円高不況で大変な時でした。そんな時代的背景もあり、上司が部下にやるモチベーションの方法としては、「アメ、ムチ、監視」の3点セットでした。
当時、コンサルティング会社に勤めていた新人の私に、上司は、「稼ごうと思えば、いくらでも稼げる会社です。」と業績給の話を行い、アメを与えてくれました。そして、メチャ、ハードな仕事と、叱咤激励をしながら、私をモチベートしてくれました。少し業績が悪くなると、夜中の2時も3時もまでかかって、「何で、どうして」と業績が悪い理由を突っ込まれていました。その突っ込まれるのが恐怖で、必死に業績アップに努力しました。
恐らく、多くの会社でも似たようなモチベーションしかなかったと思います。

 

そして、今も同じようなモチベーションに対する考え方で、同じようなやり方を繰り返している企業やリーダーが多いのではないでしょうか?
しかし、先ほどの、働く人の6人中5人が「仕事にやりがい」を感じていない現実を考えると、リーダーや管理者が使っていた、従来のモチベーション方法は既に耐用年数がきている。

パラダイムシフトをしていかなければならないと思うのです。

同じようなやり方で、部下がついてくるかと言えば、それは難しい。効果がでていないのです。

 

時代が変わり、環境が変わり、人の価値観も変わってきました。それに合わせて、モチベーションに対しての考え方、やり方も変えていく必要があるのです。

私はマニュアル化時代、仕組み化の時代、新しいモチベーション方法が求められていると考えリーダーズモチベーション研修のプログラムを作りました。

今は、「仕組み化」が全盛の時代。製造ラインから始まった仕組み化の波は、今、あらゆる職種に広がっています。私の主な仕事もこの、「仕組み化」のお手伝いです。

 

しかし、「仕組み化」が広がるにつれ、弊害も出てきています。それは「仕組みで働く人」のモチベーションです。リーダーが単純に「仕組み化」を徹底していくと、ルールが細かに、マニュアルが細かになってきます。

それに連れ、働く人の創意工夫が入る余地がないような風土が出来上がっている企業が多いのではないでしょうか?企業の官僚化です。働く人もロボット化、官僚化していく。

そうなると、せっかく「労働生産性を高める目的で作った仕組み」が、逆に働く人のやる気を低下させ、逆に生産低下を招いてしまう。入社当時は「やる気に満ち溢れた人」でさえ、社内で時間を過ごすうちに「言われたとおりにやっておけばいいんでしょう」的な考えを持たせてしまう。こんなケースが多くの企業で起こっているのです。

 

「仕組み化」は大事です。しかし、「仕組み化」を進めていけばいこうとするほど、「その仕組みで働く人達のやる気」をリーダーがどう引き出すかが重要になっていくのです。

そこで、大切になるのが「やる気を引き出す為のフレームワーク」と「具体的にやる気を引き出す為の技術」です。

 

 

以下がリーダーズモチベーション研修で教えている「部下のやる気を育てるフレームワーク」の概要を図表です。

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部下をお持ちの方は、この図をお手元に置かれているだけでも、部下のやる気を育てるヒントになると思います。

 

 

 

 

 

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3月 10

楽しい仕事をすると仕事を楽しむの違い

以前、元日本代表の中村俊介が出ている就職情報企業のCMがありました。
中村選手がロッカーでもボールと楽しんでいる姿が描いてあり、仕事人間である事がカッコイイ事をアピールしている内容でした。

 

このように、仕事を楽しんでいる人を見た時、2種類のタイプに反応に分かれます。

一つは「俊介みたいに楽しい仕事につければ、自分も仕事に夢中になれるよ!」と感じるタイプ。

2つ目は自分も俊介みたいに仕事を楽しめる人間になりたいな!」と感じるタイプ。

 
前者は、「好きな仕事=楽しい仕事を探すことができさえすれば、仕事を楽しむ事ができる」という考え方である。この考え方には大いなる疑問が起こる。ホントにそうなのか?ということ。
好きな仕事につきさえすれば、仕事が楽しくなるという短絡的な話ではない。

プロのサッカー選手や野球選手は子供の頃から夢を見るくらい、好きな仕事についているはずだ。だけど、全ての選手達が仕事を楽しんでいるかと言えばどうだろう?
いつも間にか、練習も苦痛になり、大事な場面でのプレッシャーでだんだんそのスポーツそのものがイヤになってくる。ほとんどの選手は、子供の頃のような情熱がなくなっているのが現実であろう。
みなさんの大好きな食べ物を想像して欲しい。
私は焼き肉が好きですが、毎日、毎日焼き肉を食べ続けたら、たぶん1ヶ月くらい経つと焼き肉を食べるのがイヤになると思う。
「好きな事を好きで有り続ける大変さ」があるのだ。これって仕事を考える際に非常に重要な視点だ。
どんなに楽しい仕事や自分にぴったりな仕事に出会ったとしても、飽きや困難、挫折に出会って、仕事がイヤになるのである。

 

「楽しい仕事をする」ことと、「仕事を楽しむ」事は違うのだ。
「仕事を楽しむ」には、「楽しい仕事」はもちろんの事、「困難に感じる仕事」「イヤな仕事」「退屈な仕事」「劣等感にさいなまれる仕事」等の「楽しくない仕事」も含めて楽しむ工夫をしていく力が求められる。(私は、この事を「楽しさ創造力」と言っているのですが)

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仕事を楽しむには、仕事を楽しむスキルを身につける必要がある。つまり「楽しさ創造力」の能力開発が必要になる。
「今、目の前にある仕事をいかに楽しくする事ができるか!」こそ最も重要な能力なのではないか!
当然、何も頭を働かせる事なく、楽しくはできない。
楽しくするための努力が必要になるのである。

 

成功者の半分くらいの人達は、目の前の仕事に「楽しさ創造力」を発揮させることで、日々の仕事を楽しくしていく事で、いつのまにかホントに仕事が好きになった人達だと思う。最初から、好きな仕事につけたラッキーな人など、ほとんどいないのではないだろうか?
目の前の仕事を楽しむ事で、思いもよらないような様々な偶有性のある出来事に出会い、その事で、どんどん仕事が楽しくなってくるのである。

 

弾さんのブログ:好きを仕事にするな、仕事を好きにしてしまえ
で述べられているような仕事を好きにする為の工夫を行っていく必要があると思う。
(「仕事は誠意ある浮気者に惚れるのだ。」これ、名言だと思います。)
また、その工夫も奥深いものがあり、たくさんの工夫が存在する。
この「楽しさ創造力」については、私の専門研究分野なので、このブログの中でも詳しく取り上げていきたいと思う。

 

孔子もこのような言葉を言っている。
「これを知る者は、これを好む者に如かず。(しかず)
知っているより、好きな人間が仕事ができる。
これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。」
好きな人間より、楽しむ人間が仕事ができるという意味だ。
孔子も、「好き」と「楽しむ」を分けている。
論語の時代から「楽しむ重要性」が述べられているにもかかわらず、「仕事を楽しむ方法」について具体的な手法が体系立てられていないのも不思議ですが・・・

 

好きな仕事につく幸運を求めるより、仕事を楽しむ実力をつけていった方が、仕事を楽しみ、人生を楽しむ事ができるのではないだろうか?

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3月 10

経営理念のウソ・ホント

孫子の言葉に

「孫子曰く、兵は国の大事。死生の地、存亡の道なり。察せざる可からず。

故に、之を経するに五事を以てし、之を校するに七計を以てして、其の情を索む。

一に曰く道、

二に曰く天、

三に曰く地、

四に曰く将、

五に曰く法。」

という五事七計がある。

 

相手と自分について必ずこれを比較調査し、自分が相手に勝ると判断できる時以外は戦争をしてはならないという原則である。

これは、現代の経営にも当然求められている。そこで多くの企業では、SWOT分析等の「分析手法」利用しながら、この言葉が実践されている。

 

しかし、この言葉を上滑りで理解してしまっているケースが多い。

そこで、今回この中で「道」にテーマを絞って深掘りして考えてみたい。

 

 

孫子は、五事七計の「道」について以下のように説明している。(一番最初に書いているので、当然、一番重要だと孫子は考えたのではないか?)

 道とは、民をして上と意を同じくし、之と与に死す可く、之と与に生く可く、畏危せざらしむるなり。

 

民衆の意思を君主に同化させる、理念の正しさ。

ふだんから理念が実行されているからこそ、戦争になっても、民衆に統治者と死生を共にさせることができ、民衆は政府の命令に疑いを持たないという意味である。

 

企業では、この理念を経営理念なり、ミッションと呼ぶ。

経営理念の大事さを説くビジネス書もたくさんある。

有名どころで言えば、エクセレントカンパニーやビジョナリーカンパニーなどである。

日本でも京セラの稲森和夫会長などの書物には、いつも書かれてある。

 

 

しかし、これだけその重要性が説かれているにも関わらず、多くの企業においては理念について誤解が多い。

* どこかの経営理念をパクって作っただけの経営理念

* 単なるお飾りとして、事務所の中央の額に掲げてあるだけの経営理念

* 毎日、機械的に朝礼の際に唱和されているだけの経営理念

こんな表面的な経営理念のとらえ方の企業が非常に多いのが現実である。

経営理念の浸透とは、当然、こんな事ではない。

 

経営理念の浸透度、実践度を考える際に、最もシンプルなものは、「経営理念の為に、どれだけの利益(もっと分かりやすく言うならば現金)を犠牲にする覚悟」が実行できているかという視点ではなかろうか?この「利益よりも重要な何か」の実践が、その「何か」に対する社長の本気度を社員は感じ取り、それを実行しようとするのではないのだろうか?

 

以前、コムスンという介護事業を行っている会社が事件を起こした。

この事例も、理念を誤解しているケースではなかろうか?この会社が掲げていたミッションは、「一人でも多くの高齢者の尊厳と自律を守る」という事だった。

実行されれば、非常に素晴らしい、意義のある理念だ。残念ながら、その実践という事では、「一人でも多く」という部分についての理念については、厳しい業績管理により徹底されていただけ。、「高齢者の尊厳と自律を守る」という部分について徹底されていなかった。結果、高齢者へのサービスができなくなるかもしれないリスクを生んでいくような、水増し請求は当然、理念を経営者が本気で考えていたら行わないだろう。当然それがバレそうになると、廃業(店舗閉鎖)による「連座逃れ」も行わなかったに違いない。

コムスンが急に閉鎖を何も勧告なしに行ったために、訪問介護難民となってサービスを急に受けることがでいなくなったお年寄りの姿をTVでよく見る。利益の為に「高齢者の尊厳と自律を守る」という理念が犠牲になっている状況が分かる。(今回は、いつものような先手閉鎖戦略を行おうとする前に、厚生労働省に先手を許してしまい、ゲームオーバーになってしまった。社長は「二度と起きないようしっかり経営を行っていく」と述べたが、社会は誰も信じずにゲームオーバーとなってしまった。

 

 

一方、この経営理念についての覚悟を私が感じる会社にグーグルである。

 

 

梅田望夫さんと茂木健一郎さんの共著のフューチャリスト宣言という本の中で、グーグルのトップページデザインについて書かれていた。

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

 

グーグルの経営理念への覚悟についての凄みは「なぜ、グーグルのトップページには、広告がないのか?」という事である。

ヤフー、グーグル等のの広告で利益を上げるビジネスモデルで考えれば、アクセス数の最も多いところが一番の収入源泉である。当然、ヤフーのTOPページは、広告でゴテゴテしている。我々も、それは仕方のないものとして見ている。

しかし、グーグルのトップページは、グーグルのロゴと検索窓だけ。(後は、グーグルのその他サービスだけ)アイ・グーグルに関しても一切の広告が入っていない。広告が入るのは、キーワードで検索を実施した際だけ。

これは、グーグルの「必要なところにのみ情報をおく」という理念の実行なのである。

 

TOPページの広告は、ユーザーにとって必要な情報ではない。ユーザーは調べたいだけなのだから。しかし、キーワード検索した後に出てくる広告は、ユーザーが望む情報の一部であるという考え方である。

この「必要なところにのみ情報をおく」という理念の為に、グーグルは数百億円の利益を犠牲にしている。トップページの広告であれば間違いなくそれくらいは稼ぐだろう。私のような凡人であれば、絶対に、利益に目がくらんで広告を置きたくなる。

 

このグーグルのトップページこそ「理念の実践とはどのような事か」というシンボリックなものである。

孫子の「道」という言葉を今風に解釈すると、

「理念の実行の為にどれだけ経営者は利益を犠牲にする覚悟がありますか」

と言っているのではないだろうか?

 

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3月 10

同じ仕事で高い給料の人の方が、安い人より不満が多いのがはナゼ?

同じ仕事を2つのグループに分けたモチベーションに関わる実験。

この両グループに全く同じ仕事をやってもらう。仕事内容は誰の目から見ても明らかに単調で退屈な仕事。

Aグループには高い給料。

Bグループには安い給料で仕事をしてもらう。(給料については事前に両チームに告知)

果たして結果は・・

 

はてな匿名ダイアリー:会社に人生を捧げている人は幸せか? より

結果として高収入を貰ったAグループはほとんどの人間が「つまらない」「二度とやりたくない」などの否定的な内容だった。

しかし低賃金で働かされたBグループは「やりがいを感じた」「みなでやり遂げた達成感が大きかった」などの肯定的な内容がほとんどだった。

これは有名な心理学の実験で「論理的不調和」を現すものだ。

人は理屈に合わない事をやりたくない、理屈に合わないことをすれば自分に言い訳をする。

 

 

この実験結果に対する解釈はいろいろあると思います。

Bチームへのやり方は「認知不協和をベースにした経営者が労働者を上手に洗脳するやり方、労働者をこき使うやり方」だとか、Bチームのような人達は、自分の欲求(金銭欲、物質欲、性欲等々)を閉ざして自分を誤魔化ざるえなくなった可哀想な人達だとか・・

 

しかし、この実験結果を単なる「認知不協和」だけで片づけていいのでしょうか?私はこの実験結果を違う視点で感じてしまうのです。人は「仕事を単に金の為だけにしている」と思えば仕事はつまらなくなる。一方「仕事を何の為にやっているかを考える事」ができれば仕事に充実感を感じる事ができると。自分のモチベーションアップを行っていく為の大事なヒントになる実験ではないかと思うのです。

 

Aチームは最初から給料を高くもらった為に、「仕事を何の為にするか」などを考える必要がなかった。単に金の為にすると割り切るだけでよかった。しかし、Bチームの人は、Aチームより安い給料で仕事をしている為に「金の為にする」だけでは、自分を納得させる事はできない。自己モチベーションを行う必要に迫られた。「仕事を何の為にするか」を考える必要に迫られたからなのではないでしょうか?それを見つける事ができたので同じ仕事に充実感を感じる事ができた。

 

同じ仕事をしているAさんとBさんがいます。

AさんはBさんより高い賃金をもらっていますが、仕事が楽しくありません。Bさんは安い賃金ですが、仕事にやりがいを感じて、仕事を楽しめています。

どちらが幸福なのでしょうか?私はBさんの方が幸福だと思います。もちろんBさんがAさんと同じ給料をもらい、仕事にやりがいを感じ、仕事を楽しめる事が一番だと思います。(参考:成功しないと、仕事や人生は楽しくないのか?

 

仕事はもちろんボランティアではありません。対価として金の問題はつきまといます。この実験と違い現実は、仕事の結果がでれば高い給料を貰わなければ納得感はでません。しかし、この実験からの教訓は、「金」ばかりに目がいってしまってはいけないという事ではないでしょうか?

肝心の「自分の仕事の価値」に目を向ける事ができず、働いている8時間が苦痛でたまらない拘束時間になってしまうと、常に人生の3分の1が不幸な時間になってしまいます。結果、仕事の成果も上がらない状況にもなる。(何か社会保険庁で働いている人が思い浮かんでしまいます。)

 

私はこの実験からこう感じました。同じ仕事をしていても、仕事の充実感は違う。充実感の違いは、単に金の為に労働しているという意識ではなく、「自分でその仕事の価値を見つける事ができたか?」に懸かってくる・・

 

給料は、外からのモチベーションであり、自分だけでコントロールできないものです。どうせ同じ給料で働くのなら、仕事を楽しめた方がいいと思いませんか?「あなたの仕事の価値を自分でどれだけ見つけるか?」が楽しく仕事ができるかの鍵になるのではないでしょうか?これは、自分でできるモチベーションです。自分でコントロールできるのですから。それができれば、会社がイヤだったら給料の高い会社にいつでも転職できます。仕事にやりがいを感じる事ができると、結果を出す能力を身につける事ができているのですから・・ 

あるSEとゲーマーの四方山話;幸せに働いてる人というのは一体何を考えてるのか?

「プラスアルファの魔法」という論理がある。

  報酬以上に仕事をすれば、2重の喜びを得られる。

  報酬に対して普通の仕事しかしない人より給料が高くなることと。

  精神的満足感だ。

  つまり、給料以上に仕事すれば当然上司にかわいがられるし

  それだけ出世も早くなる。

  他人に認められるのは人間の本能的な自己重要感を満たしてくれるし

  自分が自分のことを認めることにもなる。

という言葉が紹介されていた。そんなプラスもあると思う。

長期に渡るビジネスの世界。金は後からついてくる。

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