«

»

3月 11

部下のやる気は2種類ある。『やりたい』と『やらねば』

リーダーはよく「やる気を出せ!」と、部下に叱咤激励をしますよね。
じゃ、「やる気のある状態」はワンパターンかというとそうではない。

 

実は、「やる気」は2種類あって、
「やりたい」という気持ち
「やらなければいけない」という気持ち
これは、どちらも「やる気」です。「やりたい」という気持ちも、「やらなければいけない」という気持ちも、私達を行動に駆り立ててくれる「やる気」なのです。

 

「やりたい」という気持ちは、「好き」という感情や、「やっていて楽しい」という「ウォンツ感情」から生まれてきます。
仕事に行く際は、グズグズ布団から出ることができない朝寝坊の人も、「大好きなゴルフ」になると、誰から命令されることなく、、自ら、朝早く起きてしまう。

 

一方、「やらなければいけない」という気持ちは、「必要性」、「マスト感情」から生まれてきます。給料を稼ぐためであるとか、上司からの叱責を受けない為であるとか、人より早く昇進する為であるとか。
孫子の兵法の中に「兵を死地に追い込む」という話があります。
マンパワーに劣るような戦いでは、あえて自らの兵を「後ろは崖で下がる事ができない死地」で戦わせると「前に進んで戦うしかない」という気持ちになり、通常より遙かなパワー、やる気を発揮し、人数以上の力を発揮するという事。

 

実は、「部下にやる気を出させる」という話をする際、多くの人は、この「やりたい」と「やらねば」を混同して話をしてしまいます。やる気を出させると言っても、この2つは、全く違ったアプローチが要求される事はお分かりでしょう。

 

「やりたい」という気持ち、「やらなければいけない」という気持ち、それぞれが特色があります。

 

「やりたい」という気持ちは、前向きで、明るい気持ち。よく、「好きなことを仕事にしろ!」と言われる人がいます。それは、好きなことを仕事にすれば、「やりたい」というやる気が自然に沸いてくるからでしょう。
好きな仕事をやっていると、誰から、命令される事なく、「やりたい」という気持ちが沸いてきて、セルフモチベーションを図ることができる。「やりたい」という気持ちは、長期持続が可能だということ。

 

一方、「やらなければいけない」という気持ちは、悲壮感が漂うモノになります。私達は、飢えない為、生き残る為には凄いパワーを発揮します。「火事場のバカ力」という言葉も昔からあるように、「やらなければいけない」という気持ちは、瞬間的には凄い行動を生み出していくということです。
ただ、長続きするかというと、普通の人では、この気持ちを継続させる事ができない。「やらなければいけない」という気持ちが、長期間続くと、ストレスで逆に生産性の低下を招いてしまう人もいます。

 

2つを整理すると、
「やりたい」という気持ちの刺激は、「高いレベルの行動、長期間継続させる」のに向いている。
「やらなければならない」という気持ちの刺激は、「短期間に、爆発的に行動変革させる」のに向いている。

 

上司としての視点からつけ加えるとすると、「やりたい」という気持ちを部下に育てようとすると、少し時間が必要になる。手間もとる。一方、「やらなければならない」という気持ちは、一度、怒鳴るだけでも、そのように仕向ける事ができる程、カンタンで、即効性があるということ。
だから、ある意味、「やる気にさせる=やらなければならないという気持ちにさせる」と思っているリーダーも多いのです。
「やらなければいけない」という気持ちを引き起こす手法を多用すれば、どうなるか?「やりたい」という気持ちがなくなっていくのです
。同じ、「やる気にさせる」という事になるのですが、この2つには、大きなミゾが流れているという事を知っておく必要があるのです。

 

 

「やらなければいけない」という気持ちが続くと、その仕事に興味が薄れてきて、義務感を感じてしまうようになる。この手法は、カンタンだし、即効性がある。
だから、リーダー側も多用してしまう。多用してしまっているうちに、いつのまにか、「部下のやる気」は崩壊してしまう。こんなケースがタタ見られます。

 

リーダーは長期間、部下を預かるものです。「高いやる気を長期間持続してもらう」ことが大事なハズ。瞬間的だけやる気になってもらえばいいという話とは違います。(オリンピック期間中だけ、やる気になってもらえばいいという話とは違います。)

 

リーダーズモチベーション研修では「やりたいという気持ちにさせる」という事をPULL型モチベーション。「やらなければいけない気持ちにさせる」事をPUSH型モチベーションと名付けています。
「部下のやる気を育てる」基本は、PULL型モチベーション。これがベース。とは言え、「部下のやる気」を一気に高める必要がある時もあります。組織の緊急事態が発生した時などです。そんな時、PUSH型モチベーション。

 

リーダーはこの2つを上手に使い分けていく必要があるのです。

 

孫子の兵法に、「戦争に勝つためには正と奇を使い分けることが肝要」という言葉が出てきます。勝利をつかむには、正攻法を中心に使いながら、アクセントとして、奇襲を上手に織り交ぜていくとが肝要という意味です。
部下をやる気にさせようとする場合も、同様のことが言えます。
「PULL型モチベーション(「やりたい」という気持ちにさせる)」が正攻法 
「PUSH型モチベーション(「やらなければいけない」という気持ちにさせる)」が奇策であるということです。

 

平時は、「PULL型モチベーション」で対応していくことが理想です。しかし、いつも「PULL型モチベーション」で乗り切れるわけではありません。緊急事態や、即座の対応が求められる状況、組織メンバーに強烈なカンフル剤を与えなければいけない場面なども起こってくるでしょう。そのような事態に陥ったとき、奇策である「PUSH型モチベーション」を使うのです。

「PULL型モチベーション」で部下との間に信頼関係が構築できていない人は、「PUSH型モチベーション」をいくら上手に行っても、部下はやる気になってくれません。「PULL型モチベーション」をベースに考えてください。その際、「PULL型モチベーション」と「PUSH型モチベーション」のバランスは、黄金律の80対20程度が目安になるのではないでしょうか?

 

この2つの手法の使い分けは

  • 親であれば、子供に「勉強したい」という気持ちをどう引き出すか?
  • 結婚している人、恋人がいる人であれば、パートナーに「もっと愛したい」という気持ちをどう引き出すか?
  • 営業マンであれば、お客様に「買いたい」という気持ちをどう引き出すか?
  • システム部門の人であれば、現業部門の人達に、「新システム導入への協力したい」という気持ちをどう引き出すか?

 

この2つの部下のやる気を引き出す技術は、そんな場面でも共通して使える手法です。

 

相手が子供であれ、お客様であれ、奥さんであれ、今回ご紹介したモチベーション方法を使っいく事ができれば、その「やる気を引き出す事」ができていくと思います。

リーダーズモチベーション研修の詳細はコチラ

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=86

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次の HTMLタグおよび属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>