一つが、その社長が、リフォーム会社に訪問した際の話。
リフォーム会社の社長
「うちは、頑張っているヤツには、天井知らずで給料を払うんだ」友人
「凄いですね。社長は『やる気』を特に重視しているんですか?」リフォーム会社の社長
「もちろん。全ては『やる気』だよ。だけど、最近の「営業マンはやる気がないヤツ」が多いね。うちの営業マンはすぐに辞めるんだよ。1日で辞めるヤツもいるくらいだ。根性がないヤツが多いね!」
何か、話がおかしいなと思った友人は、リフォーム会社の社長に、詳しく「やる気を上げる為に、どうしているか?」を聞いたそうです。すると、
リフォーム会社の社長
「うちの会社の営業は厳しいんだよ。どこにでもある商品だしね。売り方も飛び込みを中心。ほとんど断られる事が仕事さ。売上を上げるのもカンタンじゃない。やっぱ、気合いが必要なんだよだから、数字をあげれない奴は叱りとばして、徹底して追い込むね。朝礼も厳しいし、ウチの月末会議なんかは、泣くまでやるからね!だけど、頑張ったヤツには、給料をいくらでも出すよ。それが、うちの『やる気を引き出す仕組みさ』」
これ、どう思います??
「やる気を引き出す」というと、何か精神論的な事ばかりをイメージされる人がいます。この社長は、「やる気を引き出す=やらなければいけないという気持ちに追い込むこと」という間違った定義のもとに、仕事をされています。
「やる気を引き出す=自らやりたいという気持ちにさせること」が本筋だと理解できていないのです。
また、「やりたい」という気持ちにさせるには、
・自律性
・有能感
・信頼感
という3つが必要であり、「部下に有能感を感じさせるには、精神論の問題だけではない」という「やる気のフレームワーク」が全くご存じないのでしょう。
「売れないような商品と、売れないような営業方法しかない」状況で、有能感など感じることができるワケがない。「これをやったら、いい結果が出るという仕組み」が用意されていなければ、「有能感」など感じる事ができない。「ウチの会社の商品や営業では、何やってもうまくいかない!」と諦めているのでは、やる気など出てきません。
「営業マンのやる気」を生み出すには、「売れる仕組み」を見直す必要が最優先的にあるという事が、この社長さんには分かっていないのでしょうね。精神論だけで、「やる気を出せ!」などといっても、ムダ。ムダどころか、悪影響の方が大きいというのが分かっていない。
こんな「やる気を引き出す」能力の欠如した会社で働く営業マンは、ご愁傷様というほかありませんね。ある意味、悲劇ですよね。だけど、多いんですよね、こんなリーダーが。
また、その社長とミーティングをしている際、もう一つ「やる気」について理解していない会社の悲劇と出会うことになりました。
友人
「あのSFAの会社。営業マンがよく辞めるんですよね。これで、ソフト導入後、3人目ですよ。担当者が変わったの。」私
「定着率が悪いんですね。」友人
「面白いのが、担当者の次の転職先。同じソフトを販売している、二次代理店に転職しているんですよ。転職しても、売っているものは一緒。商品はいいと思っているけど、会社がイヤなんでしょうね。」私
「SFAは、ヘタに使うと、社員の監視ツールになって逆にモチベーションを下げちゃうことが多いんですよね。細かな事までシステムの中にデータが残っているので、管理者としては「ツッコミどころ満載」という状況になりますからね。事細かな事まで管理するマイクロマネジメントをしがちになるんですよね。管理者は、悪気はないんですけどね。」友人 「そうみたいですね。あそこはメーカーなんで、フルにシステムを使いこなす事ができるんで、データーを基に、営業マンを徹底して管理しているみたいですよ。可哀想になるくらい。それに嫌気がさして、辞めてるみたいですよ」
言葉は悪いですが、「キチガイに刃物」という言葉があります。「やる気を生み出す仕組み」を理解していないリーダーが、「SFAという仕組み」を使うと、逆に「人が辞めていく仕組み」になってしまう。悲惨な話です。
「やる気を育てるフレームワーク」を知らないと、社長、管理者、そこで働く社員。全てに悲劇をもたらしますよね。そんな事を感じさせる2つの例でした。
リーダーズモチベーション研修を一人でも多くのリーダーに受講頂き、しっかりとした「やる気のフレームワーク」を理解してもらいたい。そして、一つでもこのような悲劇が減っていけばいいなと思います。
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